BLOG

メール配信の到達率を上げる方法とは?IPレピュテーションスコアの確認

メール配信の到達率を上げる方法とは?IPレピュテーションスコアの確認

記事トップ

この記事では、
・メールの到達率とは何か
・メール到達率の平均的な目安
・メールの到達率が低下するおもな原因
・メルマガの到達率を改善するための7つの方法
・IPレピュテーションとは何か
について解説しています。

この記事を読めば、メールの到達率を上げる方法と、IPレピュテーションの基礎知識が得られます。

メールの到達率とは何か?

メールの到達率を考えている女性の画像

メールの到達率とは「送信したすべてのメールのうち、どれだけの数が送信先の受信トレイに到達したか」を示す、割合のことです。

実は、「メールの到達率」には、あいまいな部分があり、

  • メールが送信先のメールサーバーに入った時点で「到達」とするか
  • 送信先の受信トレイに入った時点で「到達」とするか

で、メール到達率の数字は変わってくるのです。

一般的に「メールの到達率」は、受信トレイに到達した時点を指すことが多くなっています。
しかし、実際には受信トレイに到達した数を正確に計測することが困難なため、計算にはメールサーバーに到達した数を使うことが多くなっています。

メール到達率の重要性:届かないことでの悪影響は?

メールの到達率は、メールをビジネス目的で使うときには重要な指標です。
メールが受信トレイに届かないことによって生じる悪影響として、以下の3つが考えられます。

  1. ビジネスの機会を失う。
    たとえば、大事な取引先に自社イベントの案内メールが届かなかったとしたら、大きな機会損失となるでしょう。

  2. 顧客との関係性が悪化する。
    もし、商品を購入してくださったお客様に、商品購入のお知らせメールが届かなかった場合、お客様は不安を感じるにちがいありません。

  3. 企業のブランドイメージが低下する。
    仮に、「あの企業からのメールは、よく迷惑フォルダに入っている」とSNSで拡散されてしまったら、企業イメージの低下につながってしまいます。

メール到達率の平均的な目安

メール到達率の平均的な目安を指し示している画像

メール配信システムによるメールの一斉配信では、一般的にメール到達率は90~95%といわれています。
メール配信事業者は、メール到達率95%以上を「高い」、90%以下を「低い」、と判断するケースが多いようです。

メール到達率には、メール送信エラー率(バウンス率)が大きく関係しています。
エラー率が高すぎると、送信元のIPアドレスやドメインが、ブラックリストに登録されてしまう危険があるのです。

いったんブラックリストに登録されてしまうと、今まで正常に送信できていたメールまでが受信サーバーに弾かれてしまうようになり、ますますエラー率が高まってしまいます。
エラー率をできるだけ下げて、メール到達率は95%以上を目指すのが賢明といえるでしょう。

メール到達率はどのように計算するのか?

メール到達率は、以下の計算式であらわせます。

メール到達数 ÷ メール送信数 × 100

この計算式に出てきた「到達数」は、一般的には「メールが届いた数」と認識されています。
しかし、実はメールを送信した側から、送信先の受信トレイに到達したメールの数を正確に計測するのは困難なのです。

したがって、現実には「送信先のメールサーバーに受け入れられた数」を「到達数」として採用します。

ここで、メールマガジンに登録している読者1,000人に対して、メルマガを一斉に配信した場合を考えてみましょう。
送信先のメールサーバーに受け入れられたメールが950件と計測できた場合、今回送信したメルマガの到達率は95%、と計算できます。

メールの到達率が低下するおもな原因

メールの到達率が下がる原因をさぐるイメージ画像

ここでは、到達率が低下するおもな原因について、以下の点を解説していきます。

  • 宛先(送信先のアドレス)が無効
  • スパムフィルターにより迷惑メールとしてブロック
  • IPレピュテーションの低下
  • ブラックリストへの登録
  • 送信ドメインの評価の低さ

宛先(送信先のアドレス)が無効

メールの到達率が低下する原因で最も多いのが、宛先(送信先のメールアドレス)が無効なケースです。
郵便配達にたとえると「そのような住所、番地が存在しない」場合です。

送信先のメールアドレスが無効であるにもかかわらず、何度もそこにメールを送ろうとすると、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)から、スパム行為と判断される危険があります。
存在しない住所に郵便物を届けるよう繰り返し指示されたら、郵便局や配達人は迷惑に感じるでしょう。

無効なメールアドレスは、出どころが不明なメールアドレスのリストに、多く含まれる傾向があります。
社外から入手したリストの使用は、法律面でも問題が生じる可能性がありますので、十分な注意が必要です。

スパムフィルターにより迷惑メールとしてブロック

メールの到達率を上げるために知っておく必要があるのは、スパムフィルターの存在です。

スパムフィルターとは、メール送信先(受信側)のメールサーバーに到着したメールを種々の方法で解析して、スパム(迷惑)メールかそうでないかを判定する仕組みのことです。

スパムフィルターにはいくつかの種類があり、代表的なものとして

  1. キーワードフィルター
  2. ベイジアンフィルター
  3. レピュテーションフィルター

の3つが挙げられます。

複数のスパムフィルターによって、メールサーバーに到着したメールが解析されます。
その結果、スパムと判定されたメールは、この段階で「迷惑メール」として、メールサーバーにブロックされてしまいます。

IPレピュテーションの低下

IPレピュテーションについては、後ほどくわしく説明します。
ここでは、「IPレピュテーションが低下すると、メールの到達率も下がる」ことを覚えておいてください。

IPレピュテーションが低いと、メール送信元のIPアドレスが、さまざまなペナルティを受けます。

具体的には、

  • メールの送信量に制限を受ける
  • メールの受信者側に「このメールの安全性」の警告が表示される
  • 送信したメールが、迷惑メールに分類されやすくなる
  • メールの受信が拒否される
  • ブラックリストの対象になる

が考えられます。

IPレピュテーションが低いほど、厳しいペナルティを受けることになります。

 ブラックリストへの登録

メール到達率が異常に低い場合は、メール送信元のドメイン、あるいはIPアドレスがブラックリストに登録されている可能性があります。

ブラックリストに登録される原因としては、

  • ISPから、スパムメールの発信者と判定された
  • 無効なメールアドレスに、何度もメールを送信した
  • 送信したメールが、メール受信者によって「迷惑メール」と報告された
  • ISPが設置した「スパムトラップ」へ、メールを送信した

が考えられます。

メール送信元のドメイン、あるいはIPアドレスがブラックリストに登録されている場合、メール到達率は激減します。
送信したメールは、ほぼ届かなくなると考えてよいでしょう。

送信ドメインの評価の低さ

送信ドメインの評価が低いと、メール到達率も低くなります。
送信ドメインの評価が低くなる要因として、次の5つが挙げられます。

  1. 短期間に大量のメールを送信している
  2. 送信されたメールの開封率が低い
  3. メールに添付されているファイルのサイズが不自然
  4. メールの本文にURLが記載されている場合、そのURLのクリック率が低い
  5. メールの件名や本文に、意味不明な文字列や不自然な単語が使用されている

送信ドメインの評価を上げるには、送信ドメインの認証設定を行うのが効果的です。
送信ドメイン認証の設定(なりすまし対策)については、次の「メルマガの到達率を改善するための7つの方法」の1番目に説明しています。

メルマガの到達率を改善するための7つの方法

メルマガの到達率が改善するイメージ画像

ここでは、メルマガの到達率を改善するための7つの方法について、以下の点を解説していきます。

  1. 送信ドメイン認証の設定(なりすまし対策)
  2. 適切な送信頻度・送信量の管理(同一IPの大量配信は避ける)
  3. 配信リストのクリーニングとセグメント
  4. ダブルオプトインの導入
  5. 不適切な内容は避け、魅力的なコンテンツ作成をおこなう
  6. 配信解除方法の明示とオプトアウト管理
  7. 信頼できる到達率の高いメール配信システムの活用

1. 送信ドメイン認証の設定(なりすまし対策)

送信ドメイン認証の設定は、メルマガの到達率を向上させるのに効果的です。
適切に送信ドメイン認証を設定することで、送信元がなりすましでないことを証明できます。
結果として、メール送信者の信頼性向上につながり、到達率の上昇が期待できるのです。

送信ドメイン認証の設定には、以下の3つがあります。

  1. SPF
  2. DKIM
  3. DMARC

メールの到達率を上げるには、上記3つを全て行う必要があります。
それぞれ仕組みが異なり、相互に補う関係になっているからです。

この3つの中で、最も導入が簡単なのはSPFです。
DMARCは、SPFとDKIMを利用する方式になっています。
したがって、設定は上記1.2.3の順に行うのが望ましいといえます。

2. 適切な送信頻度・送信量の管理(同一IPの大量配信は避ける)

適切に送信頻度と送信量を管理することも、メルマガの到達率を改善させるのに有効です。
言い換えれば「同一IPからの大量配信は避けるべき」です。

同一IPからの大量配信は、スパムメール配信者の典型的な行為である、と認識されています。
したがって、短時間・短期間にメールを大量に配信すると、IPレピュテーションが下がりやすいのです。

特に、元からIPレピュテーションが低いときにメールを大量に送信すると、メールサーバーからすぐに配信の制限やブロックを受ける傾向があります。
つまり、メールの到達率が下がるわけです。

適切な送信頻度・送信量の管理は、IPレピュテーションの低下を防ぐのに効果的なのです。

3. 配信リストのクリーニングとセグメント

ここでの「クリーニング」とは、メールを送っても届かない無効なメールアドレスを、メールマガジンの配信リストから削除することを指します。
この作業で、送信時にメールの宛先(送信先のアドレス)が無効となる件数を減らせます。

「セグメント」とは、「区分」を意味する言葉です。
ここでは、メルマガ読者の性別等の属性ごとに区分した、グループのことを指します。
メール配信システムを使うと、配信リストのセグメントごとに、メルマガの配信をコントロールできます。

たとえば、男性には関係ない話題のメルマガの回だけ、女性のみに限定して配信する、といったことが可能なのです。
こうすると、男性読者から迷惑メールと報告されることはありません。
結果として、メールの到達率向上につながるわけです。

4. ダブルオプトインの導入

「ダブルオプトイン」とは、「参加の意思を二重で示す」ことを意味しています。

メルマガ登録では、

  1. ユーザーが登録フォームにメールアドレスを入力して送信する(1回目)
  2. 入力したメールアドレスに、確認メールが届く
  3. ユーザーが確認メールに記載されているURLをクリックする(2回目)
  4. メルマガ会員の登録が完了する

の流れになります。

このように段階を踏むと、1.でメールアドレスの入力に間違いがあった場合は2.の確認メールが届きません。
つまり、無効なメールアドレスの登録を防げるのです。

ダブルオプトインを導入すると、スパムフィルターから迷惑メールとしてブロックされる可能性は下がり、IPレピュテーションの低下を防ぐのにも効果的です。

5. 不適切な内容は避け、魅力的なコンテンツ作成をおこなう

メルマガの到達率を上げるには、メルマガが読者に役立つ内容であることも重要です。
HTMLメールの場合は、文字だけでなく画像等も上手に活用して、魅力的なコンテンツに仕上げましょう。

メルマガに不適切な内容や、不快な表現が含まれていないかにも、注意する必要があります。
メルマガの発行を1人だけに任せず、別の人間が内容に問題がないかをチェックするのが有効です。

ユーザーがメルマガを読んで気分を害すると、メルマガの購読解除では済まずに、迷惑メールとして報告されるリスクが生じてしまいます。
不適切な内容は避け、魅力的なコンテンツを提供することが、スパムフィルターで迷惑メールとしてブロックされるのを防ぐことにつながるのです。

6. 配信解除方法の明示とオプトアウト管理  

メルマガの到達率を改善するには、メルマガの解除方法を、読者にわかりやすく表示するのが有効です。
なぜなら、解除方法がわかりづらい、あるいは簡単に解除できないと、手続きを面倒に思ったメルマガ読者が「迷惑メール」と申告して放置し、解除手続きをしてくれなくなる可能性があるからです。

オプトアウト管理も、到達率に影響します。
読者から配信を停止するよう申告されたメールアドレスは、送信リストから削除し、以後はメルマガが送られないようにする必要があります。

  • メルマガには、配信を解除する方法を明示する
  • 適切にオプトアウトを管理する

この2つは、ブラックリストへの登録を回避するのに有効な手段です。

7. 信頼できる到達率の高いメール配信システムの活用

ここまでに、メルマガの到達率を改善するための6つの方法を紹介しました。

  1. 送信ドメイン認証の設定(なりすまし対策)
  2. 適切な送信頻度・送信量の管理(同一IPの大量配信は避ける)
  3. 配信リストのクリーニングとセグメント
  4. ダブルオプトインの導入
  5. 不適切な内容は避け、魅力的なコンテンツ作成をおこなう
  6. 配信解除方法の明示とオプトアウト管理

実は、上記の1. から6. までは、メール配信システムを導入すると解決できるのです。
ただし、メルマガの到達率を考えるならば、信頼できるシステムを選ぶことが大切です。

「メルマガの到達率を改善するための7つの方法」最後の1つは、

7. 信頼できる到達率の高いメール配信システムの活用

となります。

IPレピュテーションとは

IPレピュテーションをイメージした画像

レピュテーションとは、日本語で「評判」を意味します。
また、ここでのIPとは、メール送信元のIPアドレスを指しています。
つまり、IPレピュテーションとは、メールを送信するIPアドレスの評判をスコア化したものなのです。

このスコアにもとづいて、インターネットにおける通信が制限を受けます。
IPレピュテーションが高いIPアドレスほど制限を受けづらく、低いほど厳しい制限を受けます。
IPレピュテーションは、IPアドレスがどのくらい優等生かをあらわす、通信簿だと考えればわかりやすいでしょう。

IPレピュテーションが低いと、ISPから様々なペナルティが課されます。
結果として、メール到達率の低下につながってしまうのです。

IPレピュテーションのスコアの確認方法

ここでは、IPレピュテーションのスコアを確認できる、3つのサイトを紹介します。
いずれも英語のサイトです。

  1. Barracuda Central(バラクーダ セントラル)
    https://www.barracudacentral.org/lookups

  2. Cisco Talos(シスコ タロス)
    https://talosintelligence.com/

  3. Sender Score(センダー スコア)
    https://senderscore.org/

表示結果の説明は、サイトによって異なります。
もちろん、結果はすべて英語で表示されます。
意味を理解するために、Google翻訳やDeepL翻訳も活用してください。

ドメインレピュテーションとの関係性

ドメインレピュテーションは、メール送信者のドメインの評価をスコア化したものです。
ドメインレピュテーションとIPレピュテーションの違いは、以下の4つです。

  1. 影響する範囲
    IPレピュテーション:狭い(特定のIPアドレスに限られる)
    ドメインレピュテーション:広い(ドメイン全体に及ぶ)

  2. 影響する期間
    IPレピュテーション:短期(直近の送信から影響を受けやすい)
    ドメインレピュテーション:長期(ドメインの信頼性)

  3. 制御のしやすさ
    IPレピュテーション:ドメインよりも容易
    ドメインレピュテーション:困難(読者の反応からも影響を受ける)

  4. 変更の容易さ
    IPレピュテーション:ドメインよりも容易
    ドメインレピュテーション:困難(ドメインは簡単には変更できない)

まとめ:到達率トップクラスのメール配信システムなら「Mail Publisher(メールパブリッシャー)」

メール配信システムから送られたメールが到達したイメージをあらわす画像

メールの到達率を改善するには、到達率が低下する原因を知り、総合的な対策を講じる必要があります。
信頼できるメール配信システムを使うことも重要です。

メールの大量配信と、高いメール到達率を同時に実現したいなら、メール配信システムは「Mail Publisher(メールパブリッシャー)」がおすすめです。
15年連続で市場シェア1位を取っているサービスなので、安心して使えます。

TAG

メール配信システム導入からコンサルティング、コンテンツ制作支援など
メールマーケティング支援サービスも行います。
お問い合わせ・資料請求はこちらまで