BLOG

ロイヤルカスタマー戦略とは?育成ステップ・事例・おすすめのツールを徹底解説!

ロイヤルカスタマー戦略とは?育成ステップ・事例・おすすめのツールを徹底解説!

ロイヤルカスタマー戦略とは?育成ステップ・事例・おすすめのツールを徹底解説!

記事トップ

同業他社間の競争が多くの業界において激化しています。こうした中で注目されている戦略の一つにロイヤルカスタマー戦略が挙げられます。企業が長期的に売上げを伸ばしていくためには顧客を育成し、ファンを増やしていくことが重要です。

そこで本記事では、ロイヤルカスタマーについて解説し、ロイヤルカスタマー戦略を行う方法やそれを行う上で役立つツールについて説明します。

ロイヤルカスタマーとは?

ロイヤルカスタマーとは企業の製品、及びサービスに対して高い忠誠心を持つ顧客のことをいいます。ロイヤルカスタマーは商品を行き当たりばったりで購入する顧客ではなく、「この企業のこの商品だから欲しい」という意思を持って購入する顧客のことをいいます。

ロイヤルカスタマーは他社で似たような商品を扱っていたり、似たような商品が他で安く購入できたりする場合でも、他社を利用せず、自社を利用してくれることが多いため、売上に安定して貢献してくれる存在です。

そのため、ロイヤルカスタマーの重要性を踏まえたマーケティング戦略もあります。極端な例になりますが、1,000人の顧客がいる企業よりも100人のロイヤルカスタマーがいる企業の方が将来的に安定した経営が見込めるともいわれています。

ただし、注意しなければならない点は、ロイヤルカスタマーは購入頻度の高さや高い売上のあるお客様ではないということ。「セールでお得だから大量に購入した」「自宅から近い店舗だから利用している」といった事情で買い物に訪れる顧客はロイヤルカスタマーには含まれません。

ロイヤルカスタマーと優良顧客の違い

ロイヤルカスタマーと優良顧客はどちらも自社に多くの売上をもたらしてくれる存在という点では共通しています。

しかし、ロイヤルカスタマーと優良顧客の特徴には違いがあります。ロイヤルカスタマーが愛着心を持って利用してくれているのに対し、優良顧客は利用の動機が愛着心に限らないことも多いです。

例えば、ロイヤルカスタマーは企業やブランドへの愛着心から利用しているため、遠方から実店舗まで足を運ぶ顧客も珍しくありません。対して、優良顧客にはアクセスがよいといった理由から利用している顧客も多く、引っ越した場合などには利用してもらえなくなることも考えられます。

ロイヤルカスタマー増加のメリットと重要性

ロイヤルカスタマーは商品やサービスを長期間にわたり、かつ頻繁に利用してくれる傾向にあるため、顧客生涯価値(LTV)が高いといわれています。

また、ロイヤルカスタマーは商品やサービスの使い心地のよさや、店内の雰囲気のよさなどを家族や友人に話すことも多いので、話を聞いた家族や友人が顧客になるというケースも多いと見受けられるでしょう。

さらに、ロイヤルカスタマーの中にはTwitterやInstagramといったSNSに商品やサービスについて肯定的な書き込みをしてくれる人もいます。そのブランドや商品を利用しようか検討している人の中には、ネットの口コミを参考に利用するかどうか決める人も多いです。

ロイヤルカスタマー戦略を行うための3ステップ

ターゲット・目的を決める

誰をターゲットにして商品やサービスを提供するのか決めます。性別、年代、地域、趣向などが顧客ターゲットを決める上でのポイントになります。また、ロイヤルカスタマーを得ることでどうしたいのか明確にしておくことが大切です。

ロイヤルカスタマーの基準は企業によってさまざまです。毎年利用してくれる人、シーズンごとに利用してくれる人、毎月利用してくれる人など、ロイヤルカスタマーの基準をサービスの内容や価格に合わせて決めておくことが重要です。

カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップとは顧客が購入に至るまでの体験を予測し、それについて可視化する手法のことです。

カスタマージャーニーマップは以下の手順で作成します。

  • ペルソナを設定する
  • ペルソナの行動を文章化する
  • 顧客参加型の仮説検証を行う
  • フレームワークを決定する
  • カスタマージャーニーマップを完成する

上記手順でカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客が興味を持つポイントや顧客離れの原因などが見えてくるはずです。

ロイヤルカスタマーを定期的に分析し成果確認する

ロイヤルカスタマーの来客頻度や購入回数、購入金額などを定期的に確認します。頻繁に来店してくれていた顧客の来店が長期にわたってない場合、その原因を明らかにすることが求められます。

顧客に新商品入荷の案内や近況確認などの連絡を入れ、来店や購入が滞っている理由を丁寧に聞いてみることをおすすめします。一人の顧客の離反原因を明らかにしておくことで、企業が直面している課題が見え、他の顧客の離反防止にもつながるケースもあります。

ロイヤルカスタマーの分析手法

NPS

NPSとは「Net Promoter Score」の略語で、日本語では「ネットプロモータースコア」と表記します。「推奨者の正味比率」ともいわれるNPSは、顧客が企業に抱いている愛着や信頼の度合いを計測する指標です。

NPSでは顧客に対して「弊社の商品やサービスを周囲におすすめしますか?」というアンケートを10点満点で実施します。顧客は回答した内容によって「批判者」(0~6)、「中立者」(7~8)、「推奨者」(9~10)に分類されます。アンケートに自由記述欄を設けておくことで、顧客がその点数を付けた理由も知ることができます。

NPSのメリットは定性面、及び定量面からロイヤルティを分析できること。一方、デメリットは、NPS調査のみではロイヤルティと利益や購買頻度などの顧客実績における関係性が見えにくい点にあります。

LTV

LTVは「Life Time Value」の略語で、日本語では「顧客生涯価値」といわれています。LTVは顧客が生涯で商品、ないしサービスを継続的に利用することで企業が得られる総利益です。ロイヤルカスタマーは商品やサービスを長期にわたり、かつ繰り返し利用している傾向にあるため、他の顧客よりもLTVが高い傾向にあります。

LTVは以下の計算式で算出できます。

LTV=1ユーザーの年間の取引額×粗利率×1ユーザーの継続年数

LTVのメリットは利益獲得を主とした分析ができること。ロイヤルカスタマー戦略における大きな目的は利益獲得ですので、目標とする利益を獲得できているLTVは売上向上の鍵になるといえるでしょう。

対して、デメリットとしては優良顧客ではあるもののロイヤルカスタマーではない顧客の要望や不満などを汲み取れない点が挙げられます。例えば、「年齢的にブランドを変えたいけど、新しく探すのも手間だから利用し続けている。満足度は低く、できれば乗り換えたい」といった声はLTVの数値からは分かりにくいといえるでしょう。

RFM

RFMとは「Recency」(最終購入日)、「Frequency」(購入頻度)、「Monetary」(購入金額)の頭文字を取った言葉で、顧客ランクを指標に基づいて分析するための手法です。

最終購入日、購入頻度、購入金額をスコア化することで、顧客を以下のタイプに分類できます。

  • 優良顧客
  • 休眠顧客
  • 見込み客
  • 新規顧客
  • 離反客

3つの要素はいずれも数字データのため客観的で正確性があり、蓄積しやすい情報といえます。RFMのメリットは数字を用いて簡単に分析できるところにあるといえるでしょう。一方、利用の動機、購入理由など、感情的なことを計測しがたい点がデメリットとなります。

ロイヤルカスタマー戦略におすすめのツール

CRM

CRMは日本語で「顧客関係管理」といわれ、顧客との関係性を管理するマネジメント手法のことです。

CRMでは優れた人材がすばらしい商品やサービスを開発しても、それを利用する顧客なしではビジネスが成り立たないという考えがベースにあります。そのため、顧客視点での商品やサービスの提供を第一の目的としています。

企業が「〇〇の商品やサービスがおもしろそうだから提供してみたい」といった動機で企画を行うのではなく、顧客が求めるニーズを把握した上で提供する商品やサービスを決めることをいいます。商品やサービスに関する視点はあくまでも顧客になります。

顧客管理システム(CRM)とは?SFAとの違いや役割・システムの選び方を解説

SFA

SFAとは営業支援システムのことをいいます。

例えば、SFAには以下のような機能があります。

  • 予算と実績を比較し、目標達成の状況について可視化できる機能
  • 営業活動を記録し、報告できる機能
  • 案件ごとに進捗状況を把握、及び確認するための機能

上記の機能によって営業活動を標準化でき、効率的な営業体制を整えることができます。

MA

MAとはマーケティングオートメーションの略語です。

マーケティングオートメーションは各顧客と長期的に良好な関係を構築するプラットフォームのことをいいます。

現代社会ではSNSの普及により、顧客に対して多様な方法でメッセージを届けられるようになりました。その一方、送信したメッセージが顧客に届く、あるいは顧客の目に入るとは限りません。MAは顧客にメッセージが届きやすい、あるいは顧客がメッセージに気づきやすい機能として注目されています。

MAツールでできることを改めて知ろう!導入メリットもあわせて紹介

ロイヤルカスタマー戦略の事例

ここでは、ロイヤルカスタマー戦略を導入した企業を3社紹介します。ロイヤルカスタマー戦略を導入した企業の取組みや、どのような成果を出しているのか見ていきましょう。

チューリッヒ保険会社

チューリッヒ保険会社は損保保険サービスを提供している企業です。

チューリッヒ保険会社はカスタマージャーニーマップ作成、NPSの導入を行い、顧客にとっての最適化に取り組んでいます。

保険会社は顧客からコールセンターに不満を抱かれるケースも少なくないでしょう。チューリッヒ保険会社はコールセンターの改善や品質向上に努めています。例えば、自動応答コンピュータシステムの導入の他、NPSの結果を元に不満内容の調査や改善なども積極的に行っています。

こうした取り組みの結果、チューリッヒ保険会社は平成25年、平成26年において「優秀コンタクトセンター表彰制度」を2年連続受賞しています。

スターバックス

スターバックスは数あるコーヒーチェーン店の中でも、顧客目線の経営をしていることでもよく知られています。

顧客が家でも職場でもない「サードプレイス」(第三の場所)として店舗を見做すことができるよう、スターバックスは取り組みを行っています。

スターバックスには「スターバックス リワード」制度があり、顧客の利用状況に応じたランク付けを行っています。これにより、顧客には商品を頻繁に購入しようという動機が生まれ、顧客の囲い込みやファン化にも成功しています。スターバックスは常連客を自称するファンの心を掴み、ロイヤルカスタマー化に成功したといえるでしょう。

ナノ・ユニバース

アパレル企業のナノ・ユニバースはオフィスカジュアルやお出かけ用のオシャレな洋服を扱っていることで人気を集めています。

ナノ・ユニバースはECサイトがロイヤルカスタマーの受け皿になるよう、社長が指揮を取ってシステム、及びサイト改修に力を入れました。

Web上でのラグジュアリーな体験の他、便利な検索機能やリコメンドの見やすさなどの改善をロイヤルカスタマーの視点から行いました。

ナノ・ユニバースはECサイトで顧客のロイヤリティを向上させることに成功した企業といえるでしょう。

ロイヤルカスタマー戦略ならエンバーポイントにおまかせ

エンバーポイントは課題理解からシステム導入、そして分析・運用サポートまで、顧客に寄り添い続けることを理念としています。エンバーポイントは顧客が本当に使いこなせるツールのみを提供し、真摯に寄り添うビジネスパートナーとしての役割を担っています。

エンバーポイントは20年以上の歴史を持つマルチチャンネル・プラットフォーマー。さまざまなシステムを高品質、かつ低価格で提供しています。

エンバーポイントが提供するサービスには以下のものがあります。

  • Engage Cros(マーケティングオートメーション)
  • Mail Publisher(国内トップシェアのメール配信システム)
  • SMS Publisher(業界最安水準のSMS配信システム)
  • Talk Publisher(使いやすいLINE配信システム)
  • App Publisher(安価にカスタマイズできるアプリ開発サービス)
  • DM Publisher(パーソナライズできるDM発送システム)

エンバーポイントは上場企業を含む5,000社以上の企業にシステムを導入してきました。自社にとって適切なシステムが分からない場合は相談することもできます。導入したものの使わないという状況を回避でき、費用以上の効果を期待できるでしょう。

まとめ

モノやサービスが溢れる今日、消費者は商品やサービスを多くの選択肢の中から選択できるようになりました。一方、企業にとっては消費者が好み、納得する商品やサービスを提供することがこれまで以上に求められるようになったといえるでしょう。

ロイヤルカスタマー戦略は企業が長期的な売上を得る上でも重要な戦略です。「アクセスがよいから利用する」「安いから利用する」といった顧客ではなく、企業やブランドを愛してくれる顧客こそが企業の長期的、かつ安定的な経営のために重要です。

また、ロイヤルカスタマーと長く付き合っていくためには、ロイヤルカスタマーについて分析や顧客への状況確認なども怠ってはなりません。

TAG

メール配信システム導入からコンサルティング、コンテンツ制作支援など
メールマーケティング支援サービスも行います。
お問い合わせ・資料請求はこちらまで