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メルマガのクリック率をABテストで改善していこう!失敗事例から学ぶ改善のコツ

メルマガのクリック率をABテストで改善していこう!失敗事例から学ぶ改善のコツ

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「メルマガの開封率は高いのに、クリック率が低い」
メールマーケティングの改善プロセスにおいて、このような経験はありませんか?

そんな時は、ABテストを行い改善していきましょう。
「どうやればいいのか分からない」
「もうABテストは実施しているけど、毎回新しいクリエイティブのクリック率が負けてしまう」
と悩まれている方にも、この記事ではABテストとはという初心者向けの内容や失敗したテストから改善したプロセスも解説していますのでご覧ください。

そもそもABテストとは?

ABテストとは、A案とB案を用意し同じ条件で配信を行い、どちらの効果が良かったか検証するテストです。

複数パターンの効果検証を行うABテストは、メルマガの運用にも大きな影響を与えます。

メールマガジンの効果検証と改善には様々な手法がありますが、ABテストの特徴は「実施・検証のしやすさ」「結果の分かりやすさ」「長期的な積み重ねが効くこと」にあります。

ABテストを繰り返して改善していくことで、長期的にメールマガジンの効果を向上させていくことができます。

メール配信のABテストでよく検証される項目

よく検証されるのがこの4項目。

  • メール到達数・・・到達率をあげるため配信方法や登録内容を見直すなど
  • 開封数・・・件名など開封前に確認できる部分を改善など
  • クリック数・・・本文内のボタンや文章、画像を見直すなど
  • CV数・・・ウェブサイトの見直し、本文との整合性を見直すなど

開封数が多くても、クリックされない場合は本文に問題があるかもしれません。
クリックを上げていこうという時に、毎回の1回ごとに内容を変えて配信していては正確な効果は測定できないでしょう。
そんな時に効果的なのがABテストです。

ただ、ABテストをやればいいと言う訳ではありません。
クリック率を改善するABテストで注意すべきことがあるので解説していきます。

開封率やクリック率改善でお悩みの方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

メールクリエイティブのABテストとは?効率的なクリエイティブ改善に向けて注意すべきポイント

クリック率改善テストでやってはいけないこと

「ABテスト」では、気をつけなければ失敗につながるポイントがいくつかあります。該当することがないかチェックしてみてください!

2ヶ所以上同時にテストする

AパターンとBパターンで比較箇所が複数あると、なぜ結果が良かったのか分からなくなり間違った判定をしてしまう可能性があります。

たとえば、メール内のリンクボタンの色だけを変更し、件名や掲載内容は全て同じにすることで「結果の違いへ影響したものはリンクボタンの色である」ということを特定できます。
検証方法を間違えると、その後の取り組みも間違って進んでしまいます。
比較箇所は、1箇所のみ比較するように気をつけてテストを行っていく事が大切です。

1回の配信で判断している

メールテンプレートを検証する場合、「新しいパターン」の方が反応数が高い傾向があります。
新しいパターンへ反応した結果と考えられており、正しい判断にはなりません。

数回同じ内容で効果測定することで正しい結果が分かります。
1度勝ったから採用するのではなく、数回のテスト結果を元に判断することをおすすめします。

同じ条件で配信できていない

たとえば、片方のリストに新規ユーザーが多く含まれている場合、メールマガジンへの登録が新しいユーザーの方がレスポンスは良い傾向があります。
正しい結果を得るためには、テスト対象者の内訳も同じ条件になるよう注意しましょう。

ABテストを行う際には、なぜこの結果になったのか特定できるように検証要素以外の条件は必ず同一にしましょう。

結果を検証せずに新しいテストを実行する

なぜこの結果になったのか検証することは必ず行いましょう。
勝ったパターンのみではなく、負けたパターンから得ることが多くあります。
ABテスト結果に、なぜと疑問を持ち続けることが次のABテストへの仮説となり、ABテストの精度も向上していくでしょう。

想定していなかったユーザーの興味・関心や行動傾向など、今後のメールマガジンにおいて重要な気付きが隠されている場合も多いため結果を検証することは非常に重要です。

効果検証までのABテストを行う流れ

ABテストは、このような流れで進めて行きます。

  1. 課題から仮説を立案し、
  2. 仮説を検証するためのテストプランを検討、
  3. 配信対象者リストを2つに分けて同じタイミングで配信、
  4. 配信結果から今後のアクションを判定する

という流れで進めます。

変更点の小さなABテストは、配信リストを2分割して実施しても問題はありませんが、変更点の大きなテストの場合はユーザーを絞って検証することをおすすめします。

クリック率が低下した失敗事例とクリック率向上に至った改善プロセス

ここからABテストの事例について紹介していきます。

あるクライアント様より、メール掲載コンテンツにおけるクリック率改善のご相談がありました。

「メールのファーストビューに掲載しているメインコンテンツのクリック率が低下しており、短期的に改善を行いたい」 というご要望です。

配信原稿をもとにディスカッションを行った結果、
「コンテンツを説明する紹介文が長いため(約200文字)、ユーザーが途中で読む気を失ってしまうのでは?」
という仮説に至りました。

改善案では、「もとの200文字の紹介文を80文字目で切り、サイト側への誘導と閲覧を促すための「続きを読む」リンクを掲載」しました。
長文となる既存原稿と短文のABテストを行い、短文の改善効果を検証します。

クリック率が低下した失敗テスト事例

まず、クリック率を改善するためにこのような「課題」「仮説」を立案して「改善内容」を選定しました。

課題

ファーストビュー掲載のメインコンテンツのクリック率が低く、コンテンツが読まれていない。

仮説

コンテンツ紹介文が200文字と長いため、途中で読まれなくなっていることが要因の一つと考えられる。

改善内容

A:既存と同様の200文字程度の長いコンテンツ紹介文
B:200文字の文章を機械的に80文字目で切った

ABテスト検証結果

クリック率を比較すると、改善施策であるはずのB案のほうが低い結果となってしまいました。

A.コンテンツ紹介文が長文(既存原稿)
コンテンツ1 6.2%
コンテンツ2 2.1%
コンテンツ3~6合計 0.8%
クリック率合計 9.1%
B.コンテンツ紹介文が短文(改善案)
コンテンツ1 4.9%
コンテンツ2 1.8%
コンテンツ3~6合計 1.1%
クリック率合計 8.1%

クリック率向上に至った改善プロセス

「変更したB案のクリック率が低いということは、仮説に誤りがあったのでしょうか?」
「なぜB案が負けてしまったのか」
初回のテストから考察を行い、改善内容を決めていきました。

クリック率が低下した要因の考察

今回の改善施策では、
「ユーザーの閲読行動を考慮しなかったことが原因」
だと考察しました。

コンテンツの紹介文を機械的に切ったことにより、伝えたい内容やユーザーが知りたいポイントが全て掲載されておらず、読み手にコンテンツの魅力が響かなかったのではないでしょうか。
2回目の改善案では紹介文の伝えたいポイントを踏まえ、文章内容が分かるよう80文字にリライトを行った上で再度ABテストを実施しました。

2回目の改善内容

A:既存と同様の200文字程度の長いコンテンツ紹介文
B:コンテンツの内容が分かるよう、80文字にリライトした

2回目のABテスト検証結果

再検証の結果、B案のクリエイティブがA案のクリック率の1.3倍の向上に至りました。

A.コンテンツ紹介文が長文(既存原稿)
コンテンツ1 5.8%
コンテンツ2 1.8%
コンテンツ3~6合計 0.8%
クリック率合計 8.4%
B.コンテンツ紹介文が短文(改善案)
コンテンツ1 6.9%
コンテンツ2 2.5%
コンテンツ3~6合計 1.3%
クリック率合計 10.7%

機械的に文章を切った1回目の改善内容では、ユーザーにコンテンツの魅力を伝える肝心な情報が足りておらず、紹介文を読んだところで意図したメッセージが伝わらなかったと想定されます。

文章を簡潔にリライトしたことで、より読んでもらえるようになり、コンテンツ情報への理解が向上したと解釈できそうです。

さらに副次的な効果として、コンテンツ3~6のクリック率向上が見られており、紹介文が短くなった文より多くの情報が1画面に表示されるようになったため、結果的に開封者に占めるクリック者の割合が増加したと言えそうです。

伝えたい情報を読み手に伝えるためには、「短く簡潔に内容が伝わる記述」を心がけることが重要です。

今回のように機械的に文章を切って短くしてしまうと、伝えたいポイントを網羅できず読み手に伝わりにくくなってしまいます。

また、内容が伝わるといっても長々と文章を羅列してしまっては、読み手が途中で離脱してしまうことが懸念されます。

そのため、「短い文章で内容が伝わる」ということがやはり大切です。
その上でユーザーニーズを踏まえ、読み手がピンとくるような内容を記載するとより効果が期待できます。

ABテストでクリック率を改善していこう

メルマガのクリック率が悪くて悩んでいるなら是非「ABテスト」を試して欲しいです。
ABテストを行わずに、むやみやたらに毎回配信するよりもABテストで効果のいいコンテンツを見極めて配信した方がクリック率の改善を見込めるはずです。

ABテストを行う際は、変更点を1箇所に絞り「改善目的の明確化」「実施前の仮説立て」「結果の検証」という流れを意識しましょう。

ABテストをやりたいけど実行するリソースも知識もないとお困りでしたら、お気軽にエンバーポイントまでお問い合わせください。

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