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ABMとは?アカウントベースドマーケティングの戦略と役立つツールを紹介

ABMとは?アカウントベースドマーケティングの戦略と役立つツールを紹介

ABMとは?アカウントベースドマーケティングの戦略と役立つツールを紹介

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取引で大きな利益を生むためには、できるだけ規模の大きい企業や団体をターゲットとすることが重要です。そうしたターゲットに対して効率的にマーケティングを行う方法がAMBです。

この記事ではABMとはどのようなマーケティング手法か解説しています。ABMに向いている企業や導入手順、メリットやデメリットについて詳しく紹介しています。マーケティングを行う上で参考になるため、ぜひ最後までご覧ください。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?意味について解説

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、自社に大きな利益をもたらす可能性のある企業を選定し、アプローチするマーケティング手法です。アカウントとは、個別の企業や団体を指します。

日本の基幹産業とも呼べる自動車業界を例に見てみましょう。自動車業界全体にアプローチを行うのではなく、トヨタやホンダ、日産といった個別の企業をターゲットとしてアプローチを行います。企業ごとのニーズをリサーチし、需要に沿ったマーケティングを行うことで、多額の利益が見込める取引先の開拓が可能です。

ABMは、リードベースドマーケティングやデマンドジェネレーションと混同されることもあります。しかし、そうした手法とABMは明確に異なります。ここからは、それぞれとの違いを見ていきましょう。

ABMとリードベースドマーケティングの違い

リードベースドマーケティングは、個人を対象としてアプローチを行うマーケティング手法です。一方、ABMは特定の企業に絞ってアプローチを行うマーケティング手法です。

リードベースドマーケティングは、幅広い企業や個人をターゲットとして画一的なアプローチを行います。質より量を優先することから、個別のターゲットに対する深掘りは後回しとなり、優先順位が低くなります。

ABMは特定のターゲットに集中してアプローチを行うため、狭く深く関係性を構築します。獲得できる顧客はリードベースドマーケティングより少ないものの、1件の顧客から多大な利益を生み出すことも可能です。

ABMに適しているのか、リードベースドマーケティングに適しているかは、提供している商品やサービスによっても異なります。そのため、どちらの方が優れているというわけではありません。

ABMとデマンドジェネレーションの違い

最初から特定のターゲットに絞ってアプローチを行うマーケティング手法がABMです。一方、デマンドジェネレーションは、顧客を獲得して育成するマーケティング手法です。

デマンドジェネレーションでは、顧客を獲得して購買意欲を高めることで商談と受注につなげます。そのため、マーケティングの序盤は数多くの顧客にアプローチを行わなければいけません。アプローチを重ねて、購買意欲が向上してきた顧客を選別し、最終的な受注へつながるターゲットを絞り込みます。

ABMは、マーケティングの序盤から特定のターゲットに特化したアプローチを行うため、顧客の選別というステップがありません。どちらの方法が優れているかは、企業の事業内容によって異なります。自社の事業特性を正しく把握することで、適したマーケティングの手法を選べるでしょう。

なぜ今ABMが注目されているのか

ここからは、なぜ今ABMが注目されているのかについて紹介していきます。

  • 顧客ニーズの変化とABMの必要性
  • テクノロジーの進歩がABMを後押し

顧客ニーズの変化とABMの必要性

AMBが注目されている理由の1つ目として、顧客のニーズの変化が挙げられます。

従来のマーケティング手法は、画一的なアプローチを行うマスマーケティングが主流でした。しかし、企業での意思決定プロセスは近年様変わりし、購買を決定づける要素や人物が以前とは大きく変わりました。そのため、マスマーケティングでは以前ほどの受注は見込めません。

そこで、効果を発揮するのがABMです。ABMは最初から特定の企業をターゲットとするマーケティング手法です。マスマーケティングとは異なり、特定の企業のニーズや傾向に合うアプローチを行います。そのため、ターゲットにピッタリと合う提案が可能です。

細分化されたニーズに応える方法として、ABMが注目されています。

テクノロジーの進歩がABMを後押し

ABMが注目される理由として、テクノロジーの進化も挙げられます。ABMという手法の考え方自体は、昔からありました。しかし、個別のターゲットを深掘りするため手間がかかることから、これまではあまり積極的に用いられてきませんでした。

しかし、パソコンやインターネットの普及により、マーケティングに有用なツールが数多く開発されたことで状況は変化します。MAツールやSFA、CRMはそうしたツールの中でも最たるものです。こうしたツールの登場により、ターゲットを細かく分析したり属性づけしたりできるようになりました。

ターゲットを細かく分析できれば、ABMの効率は格段に向上します。こうした技術の進歩もあり、有用性に気付いた多くの企業でABMが取り入れられています。

ABM導入のメリットとデメリット

ここからは、ABM導入のメリットとデメリットについて紹介していきます。

  • ABMのメリット:ターゲットに特化し、ROIを向上
  • ABMのデメリット:導入の難しさと適切な企業選定

ABMのメリット:ターゲットに特化し、ROIを向上

ABMはその方法の特徴から、ターゲットに特化しROIを向上させられる点がメリットとして挙げられます。ROIは、投資額に対するリターンの割合です。

ABMは特定の企業に特化したアプローチを行うことで、多くの利益を生み出すマーケティング手法です。この特徴から、受注できれば1社だけで多額の利益を見込めます。たとえば、10社にアプローチし合計で1,000万円の利益を生み出すより、1社で2,000万円の利益を創出する方が効率的です。

数多くの企業にアプローチするには、人員的にも金銭的にも多くのリソースを割かなければいけません。しかし、特定の企業に特化するには、そこまで多くのリソースを割く必要はありません。そのため、ABMで受注した方がROIは大きくなります。

ABMのデメリット:導入の難しさと適切な企業選定

ABMにはメリットがある分、デメリットもあります。ABMのデメリットは、導入の難しさと、ターゲットの選定です。

ABMは、1社で多くの利益獲得を狙う手法のため、クロスセルやアップセルといった方法をとらなければいけません。こうした手法をとるためには、幅広い商材を扱い、ターゲットのニーズに柔軟に対応できるだけの会社としての規模も必要です。

また、ターゲットの選定には市場の状況や競合他社の動向、顧客のニーズを正確に把握する必要があります。そうしたリサーチは簡単にできるものではなく、ターゲットの選定を誤ると、損失につながる可能性があります。

こうしたことから、ABMはあらゆる会社や業種に向いている手法ではありません。

ABMはどのような企業に向いているか

ここからは、ABMはどのような企業に向いているかについて紹介していきます。

  • 取引額が大きく、長い販売サイクルを持つ企業
  • 特定業界に特化したソリューションを提供する企業

取引額が大きく、長い販売サイクルを持つ企業

ABMは、取引額が大きく長い販売サイクルを持つ企業に適しています。なぜなら、ABMは最初から特定の企業をターゲットとしてマーケティングを行うことが前提の方法だからです。

取引額が大きい企業は、取引相手も同様のケースが少なくありません。そのため、効率的に利益を上げるためには、取引額が大きい企業ほどABMを採用することが適しています。

取引額が大きくなる企業の中でも、セールスサイクルが長い企業に対して、ABMは高い効果が期待できます。なぜなら、ABMを利用することでターゲットの不満や疑問点を解消し、セールスサイクルの短縮が可能となるからです。

取引額が大きくなる会社をターゲットとする場合は、AMBを活用しましょう。

特定業界に特化したソリューションを提供する企業

特定の業界に特化したソリューションを提供する企業でも、ABMが効果的です。特定の業界に特化しているということは、ターゲットとなる取引先も限られます。ターゲットが限定的であれば、ABMは効果を発揮しやすく、効率的なマーケティングが行えます。

ABMは、最初から特定の企業をターゲットとして、多様なアプローチで受注を目指すマーケティング手法です。利益につなげるためにはターゲットの選定が重要なため、特定業界で活躍する会社の方が、効率的にABMで取引を進められます。

市場規模が小さくても、特定の業界で事業を展開する企業は、ABMを導入することで効率的な受注が可能です。自社がそういった業界に当てはまるという企業の方でABMを導入していない方は、ぜひ検討してみてください。

ABM導入の具体的な手順

ここからは、ABM導入の具体的な手順について紹介していきます。

  • ステップ1:ターゲット企業とキーパーソンの特定
  • ステップ2:アカウントプランの策定とアプローチ手法の選定
  • ステップ3:カスタマイズしたコンテンツとメッセージの準備
  • ステップ4:継続的なアプローチと効果測定・改善

ステップ1:ターゲット企業とキーパーソンの特定

ABMを実施する際、最初のステップとなるのがターゲット企業とキーパーソンの特定です。ターゲットとなるアカウントの選定は、最初から1社に絞れればその先が楽ですが、そういったケースは多くありません。いきなり1社に絞ることが困難なケースが一般的です。

そうした場合は、1社に絞る前にいくつかのターゲット候補をピックアップし、優先順位を設定しましょう。優先順位を設定する際は、期待できる取引規模やリピートの可能性などを総合的に考慮する必要があります。

アカウントを決定したら、その中で購買などの意思決定に影響力を持つキーパーソンを特定しましょう。キーパーソンと接触する機会がなければ、イベント時の挨拶やDMといった方法で、興味・関心を惹き接点を得ることが重要です。

ステップ2:アカウントプランの策定とアプローチ手法の選定

アカウントとキーパーソンを特定したら、どういった方法でアプローチするか、ターゲットごとのプランを作成しましょう。プランを作成するにはペルソナを正確に把握し、ターゲットに適したカスタマージャーニーマップを作成することが重要です。

ペルソナとカスタマージャーニーマップでアカウントを深掘りできれば、ニーズの把握が容易になります。想定できるニーズに対して解決策を示し、生じるターゲットの利益まで提示できれば、アカウントの興味を引くことも容易です。

提案時のトークや資料に一貫性がないと信頼されません。そのため、データをしっかりと分析し、説得力のある一貫した提案を行う必要があります。スムーズに取引を進めるためにも、入念にプランを作成し、アプローチ方法を決定しましょう。

ステップ3:カスタマイズしたコンテンツとメッセージの準備

プランとアプローチ方法を決定したら、ターゲットごとにカスタマイズしたコンテンツやメッセージを準備しましょう。この際、重要となるのがコンテンツやメッセージの内容です。ABMでアカウントに対してアプローチをする場合、画一的な内容のコンテンツやメッセージでは意味がありません。

なぜなら、ABMは特定の企業をターゲットとしたマーケティング手法だからです。ABMを採用してマーケティングを行うのであれば、アカウントとキーパーソンの興味を引き出せる内容でアプローチしましょう。

ペルソナやカスタマージャーニーマップで深掘りしたニーズを刺激し、解決する方法があることを提示することで、関心を引き出せます。画一的なコンテンツやメッセージをアカウントやキーパーソンに響く内容にカスタマイズし、提供しましょう。

ステップ4:継続的なアプローチと効果測定・改善

アプローチを行ったら、それで終わりではありません。成果が出るまで継続的にアプローチを行いましょう。継続的にアプローチをする場合でも、ただ同じことや似たような方法を繰り返してはいけません。アプローチ後に効果を測定し、その結果を反映して内容を改善することが重要です。

たとえば、メルマガであれば開封率やクリック率を分析し、興味や関心を引いた内容を分析します。興味・関心を引いた内容を次回のアプローチに活かし、繰り返していくことで商談につながるケースも珍しくありません。

一度アプローチをはじめたら、PDCAサイクルを回し続けて、徐々に内容をブラッシュアップしていきましょう。アプローチと適切な改善を繰り返していくことで、効果的なマーケティングを効率よく行えます。

ABM戦略を成功に導くポイント

ここからは、ABM戦略を成功に導くポイントについて紹介していきます。

  • マーケティングと営業の緊密な連携体制の構築
  • 顧客データベースの整備と有効活用
  • 適切なKPIの設定と継続的な評価・改善

マーケティングと営業の緊密な連携体制の構築

ABMを成功させるためには、マーケティング部門と営業部門の緊密な連携体制を構築することが重要です。なぜなら、マーケティング部門も営業部門も、目標や使命は自社の利益拡大で一致しているからです。

マーケティング部門と営業部門では、日々取り組んでいる業務が異なるため、上手く連携が取れていない企業も珍しくありません。しかし、ABMを成功させるためには、マーケティング部門と営業部門の連携が必要不可欠です。

お互いの情報を共有し合い、状況を把握しておくだけで、連携は格段にスムーズになります。マーケティング部門も営業部門も、日常的な業務で他部門の情報を把握する暇もないという方もいます。しかし、お互いの業務の成果を向上させることにもつながるため、マーケティング部門と営業部門は綿密な連携をとりましょう。

顧客データベースの整備と有効活用

ABMを成功させるためには、顧客データベースの整備と有効活用が重要となってきます。なぜなら、ターゲットとなるアカウントの決定やアプローチ手法の検討で重要となってくるのが顧客情報だからです。

アカウントを決定する場合でもアプローチ手法を検討する段階でも、顧客情報の質は重要です。保管されている顧客情報が古かったり誤情報が混ざっていたりすると、ABMは正しい効果を発揮できません。そのため、ABMを正しく機能させるためには、最新かつ正確な情報が必要です。

ABMを導入する際は、顧客情報を念入りに精査し、古い情報や事実と異なる情報がないかをチェックしましょう。また、一度確認したら終わりではなく、定期的に更新することが効率的にABMに取り組むためには重要です。

適切なKPIの設定と継続的な評価・改善

適切なKPIの設定と継続的な評価・改善も、ABMを成功させるために欠かせません。ABMを導入する具体的な手順の部分でも触れましたが、アプローチは1回実施して終わりではありません。効果を測定し、改善することで次のアプローチや商談につなげます。

アプローチ手法の評価を行うためには、評価基準となるKPIの設定が重要です。自社Webサイトへのアクセスやメルマガのクリック率、回遊率などアカウントとアプローチ手法ごとにKPIは異なります。どういった項目を重視するか、アカウントの特徴を踏まえて決定しましょう。

決定したKPIに沿って評価を行い、必要に応じてアプローチ手法に改善を加えます。こうした流れを繰り返し、1つでも多くの成約につなげましょう。

ABM推進に役立つツールとその特徴

ここからは、ABM推進に役立つツールとその特徴について紹介していきます。

  • リード獲得・育成に活躍するMAツールとABMツール
  • 商談フェーズで力を発揮するSFA・CRMツール
  • 企業・キーパーソンの情報を管理するデータベース

リード獲得・育成に活躍するMAツールとABMツール

MAツールとABMツールは、アカウントを選定し育成する段階で活躍します。MAツールは、顧客の獲得から育成を得意とするツールです。ABMでは、特定のアカウントに特化したアプローチを行うため、MAツールは非常に効果的な役割を果たしてくれます。

MAツールにABMツールを組み合わせることで、より効果的なアプローチが可能です。ABMツールは、文字通りABMの実践に特化したツールです。最適なアプローチ手法を自動化できるMAツールと組み合わせることで、効率的にABMを実践できます。

アカウントの選定やキーパーソンの特定など、ABMの初期段階ではMAツールとABMツールが大きく役立ちます。こうしたツールを活用し、効率的にマーケティングを進めましょう。

商談フェーズで力を発揮するSFA・CRMツール

ABMでマーケティングを進めていく中で、商談の段階に入ったらSFAとCRMが力を発揮します。SFAは、営業部門の情報を集約するためのツールです。取引先の詳細情報はもちろん、商談の進捗状況やコミュニケーションの履歴なども保管できます。

CRMは、顧客情報の管理に特化したツールです。顧客の連絡先や住所などの情報はもちろん、購買履歴なども全て保管できます。そのため、過去に自社のどういった商材を利用したかなども瞬時に確認できます。

ABMにおいても、商談は成約を決める重要なフェーズのため、適切な方法で実施することが重要です。SFAとCRMは、商談をスムーズに進めるために非常に効果的なツールです。MAツールやABMツールとの連携なども踏まえて、効率的なABMのために、有効活用しましょう。

企業・キーパーソンの情報を管理するデータベース

他のツールと役割が重なることもありますが、アカウントやキーパーソンの情報を管理するためには、データベースも重要です。アカウントの詳細な企業情報やキーパーソンの個人的な情報は、ABMにおいては最も重要な情報の1つです。そのため、適切な管理をするためにはデータベースの運用も欠かせません。

アカウントの企業情報やキーパーソンの個人的な情報は、MAツールやSFA、CRMなどでも管理は可能です。しかし、それらのツールの主目的はターゲットやキーパーソンの情報を管理することではありません。そのため、必要な情報を取得するためには、時間や手間がかかることもあります。

顧客情報を効率的に運用するためには、データベースも必要です。他のツールとの連携機能なども考慮し、データベースを運用して効率的にABMに活用しましょう。

まとめ:ABMの本質を理解し、自社に合った形で導入しよう

ABMは、向いている企業と向いていない会社があるマーケティング手法です。メリットとデメリットがはっきりとしているため、向いている企業であってもそれらを十分に検討して導入するかを決める必要があります。

ABMを導入する際は、MAツールやSFAなどのツールの利用が効果的です。弊社では使いやすく低コストなEngage Crosを提供しています。マーケティングを行う際は、ぜひ検討してください。

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