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メールサーバーの役割とは?構築するうえでの注意点やよくあるエラーを解説

メールサーバーの役割とは?構築するうえでの注意点やよくあるエラーを解説

メールサーバーの役割とは?構築するうえでの注意点やよくあるエラーを解説

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仕事や日常生活には欠かせないメールですが、どのような仕組みで送受信されているのか、具体的に理解しているという方は少ないかもしれません。

本記事ではメールサーバーの役割や仕組み、構築時のポイントなどについてわかりやすく解説します。会社でメールサーバーを構築したいと考えている方や、メールサーバーについて知りたい方は、ぜひご覧ください。

メールサーバーの役割

メールサーバーとは「インターネットを介してメールを送受信するためのサーバー」を指します。

そもそもサーバー(Server)とは「提供する側」の意味を持つ言葉です。ユーザーの要求に対し、それに応じたデータなどを提供するプログラム・場所などの意味合いがあります。

メールサーバーの役割を理解するために、まずはメールの送受信の流れを把握しましょう。

  1. メールソフトで送信したメールが、送信者側のメールサーバーに届く
  2. 受信者側のメールサーバーのIPアドレス(サーバーの住所)を調べる
  3. 受信者側のメールサーバーに転送する
  4. 受信者側のメールサーバーから、受信者へ新着メールとして届く

この時、メールは「送信」「宛先照合」「受信」の役割がある3種類のサーバーを経由して、受信者へと届きます。

メールの送受信の流れは、郵便配達で考えるとイメージしやすいでしょう。

  1. ポストに投函後、郵便局へと届けられる
  2. 配送先となる宛先から、配達先の最寄りの郵便局を調べる
  3. 配達先の最寄りの郵便局へ届けられる
  4. 宛先の住所に届けられる

言い換えると、メールサーバーは手紙にとっての郵便局と同じような役割があると言えるでしょう。

それぞれのメールサーバーの役割

本項では、以下の4つのサーバーの役割について順番に解説します。

  • SMTP
  • POP
  • IMAP
  • DNS

SMTP

SMTPサーバーは、送信の役割を持つメールサーバーです。送信者がメールソフト(GmailやOutlookなど)で「送信」のボタンをクリックした後、SMTPサーバーは以下の流れで処理を行います。

  1. メールソフトがSMTPサーバーにアクセスし、メールの送信を依頼する
  2. SMTPサーバーは、DNSサーバーを介して受信者のサーバーを調べる
  3. メールを配送する

その後は、後述する各種のサーバーを通じてメールが受信者へ届けられます。

POP

POPサーバーは、受信の役割を持つメールサーバーです。

  1. SMTPサーバーにメールが届いた後、POPサーバーがメールを受け取る
  2. POPサーバー内でメールをチェックする
  3. メールアドレスごとに用意されたメールボックスへと振り分ける
  4. 受信者のリクエストにより、メールボックスの中からメールを引き出す

POPサーバーは、受信者の好きなタイミングでメールボックスからメールを受け取り、端末にダウンロードします。端末でのローカル管理となるため、過去に受信したメールはオフラインでも閲覧できます。なお、受信者に一度ダウンロードされたメールは、POPサーバーにデータが残りません。この仕組みにより、データがPOPサーバーを圧迫せず、適切な容量を保ちます。

IMAP

IMAPサーバーも、POPサーバーと同様に受信の役割を持ちます。

  1. SMTPサーバーにメールが届いた後、IMAPサーバーがメールを受け取る
  2. IMAPサーバー内でメールをチェックする
  3. メールアドレスごとに用意されたメールボックスへと振り分ける
  4. メールソフトからのリクエストにより、メールソフトへとメールを送信する

IMAPサーバーはサーバー上にメールを保管するため、複数の端末でも同じメールを確認できる特徴があります。パソコンやスマートフォン・タブレットなど、どの端末からでも問題なくメールをチェックできます。

受信という同じ役割を持つPOPサーバーとIMAPサーバーですが、メールの管理方法が異なるという点を押さえておきましょう。

DNS

DNSサーバーの役割は、宛先の照合です。DNSサーバーにはIPアドレスの情報が保管されています。これにより、受信者のメールアドレスのドメイン(「@」より後の部分)から、受信者のIPアドレスを調べられます。具体的な流れは、以下の通りです。

  1. SMTPサーバーがDNSサーバーへメールを届ける
  2. DNSサーバーが受信者のIPアドレスを調べる

その後は、前述したSMTPサーバーやPOPサーバーを通じて、受信者にメールが届けられます。正確に言えばDNSサーバーはメールサーバーには分類されませんが、メールを送受信するためには必要なサーバーです。

メールサーバーを構築するうえでの注意点

メールサーバーを構築する上での注意点を、以下の3つに分けて解説します。

  • 容量オーバーに対処できるか
  • POPとIMAPとの違いを把握できているか
  • セキュリティ体制に問題がないか

容量オーバーに対処できるか

容量に余裕を持ってメールサーバーを構築する必要があります。しかし、会社の状況に応じてメールの送受信の頻度が増えるなどして、容量をオーバーしてしまう可能性もあります。また、多くの社員が送受信することにより容量がすぐに少なくなってしまうケースもあるでしょう。

送受信したメールはメールサーバーに残りますが、容量が上限に達すると、上限を超過した分のメールは送受信できなくなってしまいます。

容量オーバーした際は、サーバーの管理者やメールソフトへの申請により、サーバーの容量を増やすことが可能です。しかし、メールが増えていく一方ではまた同じことが起こります。メールのデータを消し、容量を増やさないように心がけることも大切です。

容量オーバーへの対処法は、サーバーの種類によって異なります。POPサーバーであれば、受信者がメールを端末にダウンロード後、サーバーにデータを残さない設定にしておくといいでしょう。

IMAPサーバーであれば、単純に不要なメールを選択して削除していくことで、容量を減らせます。ゴミ箱を空にすることもあわせて行いましょう。

POPとIMAPとの違いを把握できているか

受信の役割があるPOPサーバーとIMAPサーバーは、それぞれの違いを理解した上で、どちらか一方を選択する必要があります。特徴や違いをまとめてご紹介します。

POPサーバー

  • Outlookなどのメールソフトで見られるサーバー
  • 端末に直接データを落とすため、メールサーバーの空き容量を保つことができる
  • メールで使う端末が1台のみの場合におすすめ
  • 端末の容量が多い場合におすすめ

IMAPサーバー

  • GmailやYahoo!などのメールソフトで見られるサーバー
  • メールサーバー上でデータを管理するため、端末の空き容量を保つことができる
  • 複数の端末でメールの送受信をしたい場合におすすめ
  • メールサーバーの容量が多い場合におすすめ

POPサーバーとIMAPサーバーのどちらにするか、メールサーバーの構築を検討する際には早い段階で決める必要があります。会社の業務や求める機能に応じて選びましょう。

セキュリティ体制に問題がないか

インターネットを通じた通信は、第三者にデータを盗み見られて悪用される危険性があります。例として、ユーザーが閲覧するWebサイトのアドレスや、通販で入力したクレジットカードの番号などが見られている可能性があります。同様に、メールの送受信においても第三者に情報を傍受されるリスクが存在します。

メールの送受信による情報漏洩のリスクを防ぐためには、SSLでの暗号化が有効です。暗号化して送ることにより、第三者にデータを盗み見られても解読されることを防ぐことができます。メールサーバーの選定の際は、暗号化に対応しているサーバーかどうかという点をチェックしましょう。

メール送信時によくあるエラー

メール送信時にエラーが発生した際には、エラーメールが届きます。エラーメールに書かれている数字を確認することにより、エラーの理由を把握しましょう。対処法もあわせてご紹介します。

451エラー

サーバーに何らかの不具合が生じた時に送られるエラーです。多くの場合は一時的なものであるため、時間を置いてから送信し直すといいでしょう。

550エラー

宛先のメールサーバー及びユーザー名が存在せず、見つからなかった場合に発生するエラーです。550エラーは、以下の2つに分類されます。

  • Host Unknown
  • User Unknown

「Host Unknown」は受信者のメールサーバーがわからない場合や、メールアドレスの「@」より後の部分の入力を間違えていた時に発生します。

「User Unknown」は受信者のユーザー名がわからない場合や、メールアドレスの「@」より前の部分の入力を間違えていた時に発生します。

551エラー

受信者の宛先が無効であるため、メールが送信できなかった場合に発生するエラーです。受信者のメールアドレスが存在していないことを表します。

551エラーが発生した際は、メールアドレスに入力ミスがないかどうか確認します。または、受信者のメールアドレスが今も有効であるかどうか確かめてみましょう。

552エラー

受信者側のメールサーバーの容量が上限に達していたり、添付ファイルの容量が大きすぎたりする場合に発生するエラーです。以下の方法で再度メールを送信してみましょう。

  • 受信者に容量を開けてもらう
  • メールの添付ファイルを圧縮する
  • 容量の大きいメールは分割する

553エラー

メールを送信する認証がされていないメールアドレスからメールを送ろうとすると発生するエラーです。メールソフトの設定画面から、承認についての設定を変更すると解消する場合があります。または、受信者のメールアドレスに何らかの間違いがある可能性もあります。入力ミスがないかチェックしてみましょう。

554エラー

554エラーは、SMTP承認の設定がされていないために起こるエラーです。「Service  unavailable」などと書かれたメールが届くため、メールの文章を読んで対処しましょう。554エラーでよくある具体的な要因は、以下の通りです。

  • 指定した宛先が存在しない
  • 受信者のメールボックスの容量が上限に達している
  • 受信者のメールアドレスが利用停止されている

まとめ

メールサーバーの仕組みや、構築の際に知っておきたいことなどについてご紹介してきました。会社で日常的に使うメールは、業務を円滑に進められ、セキュリティが整っているメールサーバーを使うことが好ましいでしょう。

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