BLOG メールコミュニケーションはPDSサイクルを回そう【Doフェーズ編】 コラム・TIPS メールマーケティング クリエイティブ オペレーション 効果検証 分析 HOME ブログ コラム・TIPS メールコミュニケーションはPDSサイクルを回そう【Doフェーズ編】 メールコミュニケーションはPDSサイクルを回そう【Doフェーズ編】 UPDATE:2024/03/27 目次 コラム・TIPS メールマーケティング クリエイティブ オペレーション 効果検証 分析 この記事をシェアする 記事トップ メール配信で大きな効果を得るためや効果を測定するために、必要なメールコミュニケーションのPDS(Plan-Do-See)サイクル。 いくら精密にPlan(計画)を立案しても、ユーザーの手元に届くメールのクオリティが低ければPlanそのものが台無しになってしまいます。 この記事では、Planを達成するための魅力的なメールを制作や安全なシステムを使って配信するためのDo(実行)フェーズについてお伝えしていきます。 PDSサイクル「Doフェーズ」は3つに分けられている Doフェーズは、この3つに分けられます。 クリエイティブ制作(Creative Work) システム運用(System Operation) 配信オペレーション(Delivery Operation) 魅力的なクリエイティブを制作するだけではなく、安全なシステム上で外部環境変化への対応やメール配信の特性を考慮した運用も不可欠です。 どれも大切でどれか1つでも欠けるとPlanを達成することは難しいでしょう。 ここから1つずつ詳しく紹介していきます。まずはクリエイティブ制作についてです。 クリエイティブ制作(Creative Work) ユーザーに読んでもらうメールを制作するためには下記5つが重要です。 ユーザー視点に立ったコンテンツの選定 ブランドらしさの反映 ウェブサイトとのコンテンツ連動 ユーザーの意見を元に改善する 読んでもらうためのクリエイティブの最適化 ユーザー1人あたりの受信メール数は年々増加する傾向にあり、今やメールはユーザーにとって「役に立つもの」「興味深いもの」でなければ読まれなくなってきています。 企業側の思い込みによって、ユーザー側の視点から乖離してしまわないよう注意しましょう。 では、どうすればいいのかについてクリエイティブ制作で重要な5つをそれぞれ説明していきます。 ユーザー視点でのコンテンツを制作 ユーザーの視点に立って、「役に立つメールか」「興味を持ってもらえそうなコンテンツか」をチェックすることが大切です。 そのためには、メールの制作に必要な社内外の情報を十分に収集出来る仕組みや連絡経路を整備してスムーズに編集や確認の作業を行えるようにする必要があります。 企業側は「あれもこれも伝えたい」と情報を盛り込みがちですが、ユーザー側は1通のメールを読むのにそれほど時間を使いません。 コンテンツは精査して、ユーザー視点でメールを読んだ際に読みやすいかを意識したコンテンツ制作を心掛けましょう。 ブランドらしさの反映と個人的意見を意識 企業が送るメールでは、その企業や訴求する商品・サービスのブランドらしさを反映することも重要。 ただ、商品・サービスを前面に押し出した告知メールだけを送り続けるのは間違いです。 ユーザーとの関係性にもよりますが、製品・サービス情報だけのメールはあまり好まれません。 もちろん、企業からの情報発信なのでプロモーションを行うことは当然です。 しかし、単なる自社製品やサービスの告知だけでは押し付けに見えてユーザーは飽きてしまいます。 周辺情報や編集者の個人的意見を加えるなど、工夫してブランドらしさを伝えながらユーザーにとって役に立つコンテンツ制作を心がけましょう。 コンテンツ情報量とウェブサイト遷移も考える メールとウェブサイトのそれぞれの特徴を考慮して役割分担を意識して制作を進める必要があります。 メールでの情報をあまり省略し過ぎると十分に興味喚起出来ませんし、一方で情報量が多過ぎても読みにくくなったりウェブサイトへ遷移してもらいにくくなります。 ウェブサイト遷移を目的としたメールでは、その先が知りたいと思わせる情報量で制作して、ウェブサイトで詳しい内容を訴求するなどメールとウェブサイトを意識してコンテンツを制作することが大切です。 ユーザーの意見を元に改善 1人のユーザーからの返信や社内で立場が強い方から意見が出たりしますが、loud minority(声高な少数派)である可能性があるので意見をそのまま施策に反映するのは危険です。 「フレンドリーなメールで好感が持てる」と思っているユーザーがいる一方で、「馴れ馴れし過ぎる」と思うユーザーがいるというような状況はよくあります。 ユーザー全体としてどうなのかということを知るために、アンケート調査など直接ユーザーの声を聞ける方法で情報を収集して結果を元に判断しましょう。 アンケート結果を元に施策に反映しなければ、silent majority(声なき大衆)は離れてしまうリスクがありますので注意してください。 読んでもらうためのクリエイティブ制作 いくらメールのコンテンツが良くても、文字がぎっしりと詰まった長過ぎるメールはユーザーに読まれる可能性は低くなります。 考え抜いて制作したコンテンツを読みにくいという理由で、ユーザーの目に止まらないのは非常に勿体無いです。 クリエイティブ制作する際は、ユーザー目線に立って適切な情報をきちんと整理して伝えられているか確認しましょう。 また、ユーザーは「件名(Subject)」や「送信元(From)」を見てメールを読むか読まないか決める傾向があります。 せっかく充実したコンテンツを制作してもメールを開封してもらわないことには何も始まりませんので、件名や送信元の表記も十分に気をつけることが大切です。 クリエイティブ制作でメール制作する時に気をつけたいところ 件名や送信元はどのように気をつければいいのか。 件名や送信元を制作するにあたってのポイントを見ていきましょう。 「件名」制作のポイント 件名制作の際に気をつけたいことは5つ。 具体的な訴求ポイントを簡潔にまとめる お得な情報や限定情報などを件名に入れる 最初の20文字程度で言いたいことを書く 英語だけの件名は避ける 記号などを活用し目立つ工夫をする 具体的な訴求ポイントを簡潔にまとめるというのは、例えばファッション系のメールの件名であれば「ファッション通信 1月号」よりも「バーゲン情報 一挙掲載!」など具体性を持たせるということ。 具体性のある件名の方がユーザーの興味を惹くことが出来て、開封してもらいやすくなります。 また、お得な情報や限定情報などは本文の下の方にあっても探して読んでくれることが多いので、件名に詰めすぎて読みにくくなるようでしたら本文内に記載するという形に変更しましょう。 最初の20文字程度で言いたいことを書く理由は、メールソフトやユーザーの設定に依存しますが長い件名を付けても最後まで表示されないからです。 それに英語だけの件名の場合、ユーザーはスパムメールと間違え読まれない可能性がありますので注意してください。 記号を使った場合、ユーザーの受信トレイ内で他のメールよりも目立ち開封率が上がる可能性が高いのでおすすめです。 このような点が件名制作でのポイントになります。 続いて、送信元制作のポイントを見ていきましょう。 「送信元」制作のポイント 送信元制作でのポイントは、 配信している企業がわかるように設定する ということです。 「Fromコメント」も活用して、一目でどこからの配信か企業が分かるように設定しましょう。 送信元が分からないとスパムメールと思われて、開封されずゴミ箱に捨てられる可能性がありますので是非活用してみてください。 次に「件名」と「送信元」で開封された後に大切な「本文」について制作ポイントを紹介します。 「本文」制作のポイント 本文の制作は、PCメール(TEXT形式)とPCメール(HTML形式)によってポイントが違います。 まずは、PCメール(TEXT形式)でのポイントについてご覧ください。 PCメール(TEXT形式) PCメール(TEXT形式)でのポイントはこちら。 「目次コーナー」を設ける 目次と記事本文に番号を付けるなどの関連付けを行う 罫線や区切線を活用してメリハリのあるレイアウトにする 1行あたりの文字数は全角35文字前後とする 一段落は3~4行程度で改行して行間を空ける 機種依存文字の使用は避ける。 フォントに注意する リンク先URLの手前にナビゲーションを付ける ユーザーが「興味を示す内容を的確に伝えるため」や「興味ある内容にユーザーがスクロールして見付けられる」など目次を本文につけるのはコンテンツが読みやすく興味のある内容を見つけやすくなるので効果的です。 目次の内容ごとに本文を罫線や区切線を活用して、メリハリのあるレイアウトにすることも読みやすくなりオススメですが使い過ぎるとかえって読みにくくなるので注意しましょう。 また、本文を読みやすくするために1行あたりの文字数を考えて、3~4行程度で改行し行間を空けることで読みやすくなります。 ユーザーにとって、メールを読む機種も多様になっているためユーザーの環境によって意図されない文字が表示されるような機種依存文字の使用は避け、フォントもアスキーアートや罫線で作った表などを載せる場合は注意が必要です。 そしてリンク先URLの手前では「詳しくはこちら⇒」や「今すぐクリック→」などのナビゲーションを付けることも忘れずに行うこともポイントです。 PCメール(HTML形式) PCメール(HTML形式)では、ポイントが多いので一部のみ紹介します。 ファーストビューにインパクトがある画像・見出しを配置する 画像→見出し→文章という目の動きを意識してレイアウトを構成する クリッカブルな箇所は、大き目のボタン、下線付きの青色文字などによって目立たせる。 ※注意点について、詳しくは「新任メールマーケティング担当者が知っておきたいメール7つの構造とマナー」をご覧ください。 ファーストビュー(一般的な3分割のメールソフトで開封時に表示される部分)に、インパクトのある画像・見出しを配置することでユーザーの目に止まり読み進めてもらえる可能性が高まります。 また、ユーザーの目の動きを意識して「画像→見出し→文章」というレイアウトで構成することも重要です。 写真画像などは、クリック出来るようにしていてもなかなか気付いてもらえないので、クリックしてもらいたい箇所は大き目のボタンや下線付きの青色文字などによって目立たせましょう。 ここまでの内容を踏まえ、クリエイティブを制作することでユーザーにとって魅力的なクリックして欲しいクリエイティブを制作することが可能だと思います。 次に考えるべきは、システムをどうするかという問題。 システム運用(System Operation) システム運用では、この2つに配慮することが必要になってきます。 外部環境変化への対応 メール配信の特性を考慮した構築・運用 どのようなことを行うのか詳しく分けて説明していきます。 まず、「外部環境変化への対応」から見ていきましょう。 外部環境変化への対応 外部環境変化は、メール配信でも多く起こります。 どのような点に変化があり、対応すべきなのかについてここでは紹介します。 HTMLメール配信 クリエイティブ技術への対応。 HTMLの表現力を最大限に活かす。 システムアップグレード OS、メールソフト、ブラウザのアップグレードへの対応 法令・ガイドライン メール配信関連の法令やガイドライン施行などに合わせた対応 メール受信サーバ 迷惑メール防止対策に対する対策やブロック解除交渉 HTMLメール配信では、技術が進歩しておりHTMLの表現力を最大限に活かすことや簡単に送ることが可能になってきました。 日々、技術は進化しているため「どんなクリエイティブ技術があり」「HTMLの表現力を上げるためには何が出来るか」ということは都度対応が必要になってきますので注視しておきましょう。 また、ブラウザのバージョン更新やメールソフトなどのバージョンアップがされる度に、その環境でメールが想定したように表示されるようチェックを行うことも必要です。 場合によっては、システムの仕様を変更することも検討しなければなりません。 そして、メール配信に関係する法令やガイドラインの施行や改正も行われるので対応していかなければなりません。 直近では2008年に特定電子メール法が一部改正されました。 技術や法律だけでなく、プロバイダーやウェブメールサービス提供事業者のメール受信サーバも同様に迷惑メール防止対策も変化します。 そのため、特に配信数が多い事業者に関してはプログラム上の対策や相手先へのブロック解除交渉などが必要です。 このような外部変化への対応を行いながら、メール配信の特性に考慮した構築・運用も行っていきます。 メール配信の特性に考慮した構築・運用 ネットワーク構成 * メール配信に適したネットワーク構成の整備 * ネットワーク利用に影響を及ぼさないかを監視 配信状態の監視 個別のドメインやサーバとの配信状況を監視 バウンスメール対応 受信サーバを準備し配信リストに反映する メール配信は、大量のネットワーク帯域を消費するためメール配信が自社のサイト閲覧や他社からのメール受信等のネットワーク利用に影響を及ぼさないかを監視し改善することが必要です。 監視するのは自社のネットワークだけでなく、個別のドメインやサーバとの配信状況も監視が必要です。 配信出来ない場合は、調査して対策を行わなければなりません。 また、宛先不明メール(バウンスメール)の返信には専用の受信サーバを準備して、配信リストに反映(クリーニング)することで迷惑メール対策による影響を小さくすることも大切です。 このような「外部環境変化への対応」や「メール配信の特性に考慮した構築・運用」に考慮しながら配信システムを整えていきます。 配信システムが整い、後はメール配信を行うだけとなったら「配信オペレーション」を用いてミスの無いオペレーションを行えるようにしましょう。 配信オペレーション(Delivery Operation) メールは一度送信してしまったら、その後でミスに気付いたとしても回収することが出来ません。 そのため配信オペレーション担当者が経験を積み、迅速かつミスの無いオペレーションを行えるようになる必要がありますが、人間が作業をする限り100%ということはありません。 なので、可能な限り人為的なミスを起こさないような仕組みづくりをする必要があります。 また、単にメールを配信するだけでなくクリックカウントの取得や資料請求後のフォローのメール配信などを行おうとすると、どうしても配信オペレーションは複雑になりがちです。そのため、業務の効率化・省力化が課題となります。 配信ミスの防止と業務の効率化・省力化のためには、この2つを進めることが大切です。 システムによる安全対策・省力化 業務プロセスの確立とツールの利用 こちらの2つについて順に説明していきます。 システムの活用 まず、「システムによる安全対策・省力化」についてです。 メール配信時にチェックすべき項目には、システムではなかなかチェックしにくいものもありますが、システムの方が速く正確に処理出来ることもあります。 例えば、以下のような機能をシステムで自動化することで事故防止と省力化を行えます。 クリックカウント・オプトアウト設定機能 URL別・ユーザー別にクリックカウントを取得しようとすると、本文中のURLを張り替える作業が必要になります。 これをシステムにより自動化することで、ミスを防止して省力化を行うことが出来ます。 また、オプトアウトもメールで受け付けるのではなく、クリックカウントの個別設定機能を応用してデータベースへの反映までを自動化することが可能です。 それにより、業務の効率化と同時にオプトアウトしたはずのユーザーにメールが配信されてしまうといった事故を防ぐことが出来ます。 機種依存文字チェック機能 システムで配信コンテンツや配信リストに機種依存文字が含まれているかどうかをチェックすることで、ユーザーのメール受信環境によって正しく表示されないという事態を未然に防ぐことも可能です。 配信リストの機種依存文字チェックは、データを本文中に差し込む場合に有用です。 シリーズメール(ステップメール)機能 資料請求や初回購入など、ユーザーのアクションに基づいて3日後・5日後・10日後に配信を行うという場合は、毎日リストを抽出して配信するメールと関連付けて設定する必要があります。 これも自動化することで、毎日の設定業務を省力化することが出来てリストと配信するメールとの関連付けの間違いを防止することが出来ます。 毎日、データベースからその日に誕生日を迎えるユーザーを抽出して送る「誕生日メール」などの「イベントメール」もシステム化することが可能。 業務プロセスの確立とツールの利用 原稿チェックやリスト抽出などの配信設定業務は、担当者の知識・経験・スキル・性格などによって内容もレベルもバラバラになりがちです。 個人個人によって作業に差が出ないようにするためには、このような点を整備することが重要です。 チェックシートなどのツールを整備 専門的企業にアウトソーシング このような点は重要ですが、チェックシートなどのツールを整備するのを自社内で行うと、リソースも奪われミスも起こる可能性があり、かえって非効率ではないでしょうか。 メール配信オペレーションについては、各企業の個別の要素は少なく大部分が汎用的な業務となります。 そのため、オペレーション業務を専門的に行う企業にアウトソーシングされることで業務負荷とリスクを低減させることが可能です。 エンバーポイントで行っている配信オペレーションでは、年間に4,000回を超えるメール配信設定を行っています。 また、40以上のチェック項目からなるチェックシートを使って、すべて2人以上の担当者による二重の確認も行っていますので、もっとも時間を使うDo(実行フェーズ)をアウトソーシングして効率的でリスクの少ない業務フローを確立することも検討してみてください。 関連記事 メールコミュニケーションはPDSサイクルを回そう【Planフェーズ編】 メールコミュニケーションはPDSサイクルを回そう【Seeフェーズ編】 RELATED 2024/12/11 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