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ナーチャリング(顧客育成)とは?基礎知識やアプローチ方法を解説

ナーチャリング(顧客育成)とは?基礎知識やアプローチ方法を解説

ナーチャリング(顧客育成)とは?基礎知識やアプローチ方法を解説

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近年、ビジネス界では「見込み客を顧客にする」ことを「ナーチャリング」という英単語で表すようになっています。それではビジネスの現場では、ナーチャリングはどのように認識され実行されているのでしょうか?本記事は、企業におけるナーチャリングの実態について解説しています。

ナーチャリング(顧客育成)とは?

「ナーチャリング=nurturing」という英語の本来の意味は「養育」「育成」ですが、ビジネス用語としてのナーチャリングは「顧客育成」を意味しています。

一般人にとっては聞きなれない言葉である「ナーチャリング=顧客育成」ですが、要するに「見込み客を顧客」にするための活動をナーチャリングという英単語で表現しているわけです。

なお、「手がかり」や「きっかけ」「糸口」を意味する「リード=lead 」は、ビジネス英語で「見込み客」を意味することから「既存顧客をリピーター顧客に」するための活動は「リードナーチャリング」と呼ばれています。

既存顧客へのナーチャリング

ナーチャリングには、いくつかの段階があります。第一段階は「既存顧客へのナーチャリング」で、これは現在の顧客をさらにステップアップさせて優良顧客へと育成するプロセスを指します。

自社商品(サービス)の販売にかかるコストは、既存顧客を1とすると新規顧客は5になるという「1:5の法則」があるとされています。すなわち、既存顧客をナーチャリングして、商品を再度買ってくれる「優良顧客(リピーター)」にすることができれば、顧客獲得のためのコストは5分の1に抑えることができるというわけです。

優良顧客へのナーチャリング

そして第二段階が「優良顧客へのナーチャリング」です。これは、第一段階である既存顧客へのナーチャリングを経て、優良顧客となった顧客に対して企業がアプローチするナーチャリングで、優良顧客をさらにレベルアップさせて「商品を何度も購入する」「高額商品を購入する」顧客へと育成するプロセスです。

すなわち、既存顧客を自社の業績への貢献度が高い顧客へと育成する手法を指しています。ナーチャリングによって「自社商品のファン」を作り、そのファンをできるだけ長く自社に引き付けておき顧客が他社になびくことがないように、さまざまな工夫を凝らすことが重要です。

なぜナーチャリング(顧客育成)が重要なのか?

現在のビジネス界において、ナーチャリングの必要性が叫ばれている理由にはいろいろな要因があります。それらの要因について、以下に挙げてみましょう。

カスタマーサービスの多様化

かつては、企業の広告・宣伝を見て関心を寄せるだけの存在だった顧客を取り巻く環境が、今はインターネットやSNSの普及によってすっかり様変わりしています。

すなわち、現代は顧客が能動的に情報を集めて商品を買う時代となっていることから、企業側もナーチャリング手法による顧客アプローチが重要になっているのです。

休眠顧客の掘り起し

一度資料を請求した顧客を「見込み案件」とし、企業からアプローチをかけたものの成約できなかった見込み客を「失注案件」とします。

これまでは、見込み案件に対して有効なアプローチができずに失注案件となっていたものが、ナーチャリングを行うことで「掘り起し」が有効に働き、成約となることが期待できるのです。

1to1マーケティング

メールやSNSの活用によって、見込み客のニーズや環境に合わせたアプローチをナーチャリングによって、より綿密かつ計画的に実行できるようになります。

企業と顧客が1対1でやり取りする「1to1マーケティング」を実行することで、理想的なタイミングでの顧客へのアプローチが可能となり、見込み客を自社に引き付ける効果を生み出せるのです。

計画性のあるマーケティング

多くの情報を簡単に収集できる現代では、消費者側も収集した情報を時間をかけて比較検討してから購買するという時代になっています。

企業側から見込み客に対し、計画性のあるナーチャリングによってタイミングよくアプローチすることで、自社への関心度を高める効果が期待できるでしょう。

以上に挙げたナーチャリングの要件は、いずれも能動的な現代の消費者を、いかに自社に目を向けさせ、それからどうやって関心を抱かせるか、という点に絞られます。

従来のような消費者全体に向けた画一的な広告だけではなく、見込み客個人に対する計画的なアプローチとしてナーチャリングが必要な時代なのです。

ナーチャリング(顧客育成)のメリット

消費者ニーズの把握

ナーチャリングが効率的に稼働すると、消費者ニーズを的確に把握することが可能です。ナーチャリングは、見込み客からのレスポンスを検証して次のプロセスに移行するシステムなので、消費者の動向を逐一把握し、見込みが高い消費者に絞れるなどの利点があります。

ナーチャリングによって、見込み客の購買傾向が把握できることと、新商品の提供の計画立案が容易になり、購買サイクルの短縮化の実現に寄与します。

信頼関係の構築

ナーチャリングには、見込み客個人に対してタイムリーな情報を提供することで、自社と見込み客との距離感を縮めて、お互いの信頼関係を構築するという効果があります。

自分にとって有益な情報が送られてきて、それが徐々に積み重なることによって、見込み客は次第に企業への親近感を高めていき、これがやがて企業の信頼性となり商品を購入する大きな要因となるのです。

見込み客が自社を信用してくれることが自社ブランドのイメージアップにつながり、見込み客はこの信頼関係によって安心して自社商品を購入してくれるというわけです。

安定的な売上の確保

ナーチャリングの本質は「自社あるいは自社商品のファンを作る」ことにあります。芸能人やスポーツ選手を応援するファンと同じように、自社ブランドのファンは自社商品を繰り返し購入するリピーターとなるのです。

企業にとって、リピーターは確実に売上が見込める存在なので、営業計画が立てやすくなり、安定的な売上が確保できる要因といえるでしょう。

すなわち、リピーター=優良顧客は自社の売上アップに貢献する存在なのです。

ナーチャリング(顧客育成)に有効なアプローチ方法 

1.ステップメールの活用

ダイレクトに顧客個人に届く通信手段として有効なのがメール配信です。いきなり自社商品をアピールするのではなく、見込み客が好みそうな情報を段階的に送信していくことで、見込み客の注目度を次第に高めていく方法がとられます。

自社に対する見込み客の関心が階段を上るようにステップアップしていき、自社への信頼度をアップさせ優良顧客の確保に結びつけるのです。

2.SNSの活用

現代的な通信手段としてナーチャリングで活用できる手段がSNSです。SNSとメールとの大きな違いは、SNSは企業が発信した情報が別のユーザーに一気に拡散するという点でしょう。

情報の拡散によって、企業側が想定した以上の反響が得られる可能性が期待できます。

3.ターゲットを絞った広告

自社サイトにアクセスしたユーザーに対しては、一般消費者とは異なる広告を配信する「リターゲティング広告」という手法がとられています。 ナーチャリングでは、このリターゲティング広告をさらに効率よくするために、メールなどでユーザーの嗜好や傾向を調査し、それに適合した内容の広告にすることで、より効果を高めることが可能です。

リターゲティング広告は、サイト訪問者に対するアプローチとして有効なナーチャリング手法といえるでしょう。

4.セミナーの開催

商材によっては、セミナーでの集客が効果的な場合もあります。遠隔地の見込み客は会場に足を運ぶことが不可能なため、最近はネットで動画をリモート配信する「ウェビナー(ウェブセミナー)」も実施されるようになっており、セミナー参加のハードルは低くなってきているようです。

見込み客のニーズにマッチしたウェビナーを実現することが、ナーチャリングを成功させる重要な要素といえるでしょう。

5.オウンドメディアの活用

テレビや新聞雑誌などの大手メディアに頼らず、自社が所有するメディアを「オウンドメディア」と呼び、オウンドメディアから見込み客に自社特有の情報や商品内容を発信することがナーチャリングの有効手段として注目されています。

既成の大手メディアではできない自社独自の情報が自由に提供できるので、自社の固定客を作る手法として今後も増えていくでしょう。

まとめ

本記事では、企業が実施するナーチャリングの必要性・メリット・活用法などを紹介しました。インターネットの普及と同時にSNSなど新しい通信媒体の発展により、これまで受身的な存在だった消費者が、自ら情報を収集し取捨選択して商品を選ぶという時代になっています。

このような時代に対応するために、企業側も創意工夫した顧客獲得手段を講じる必要があり、ナーチャリングは有効な「顧客育成手段」として注目を浴びているのです。

企業には、それぞれ自社独自の企業体質と商品(サービス)の特徴があります。自社の特性と見込み客のニーズに合致したナーチャリングにより、効率的な顧客獲得と業績のアップが成し遂げられることでしょう。

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