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ECアプリは販売機能を持つスマホアプリ!メリットやデメリットを解説

ECアプリは販売機能を持つスマホアプリ!メリットやデメリットを解説

ECアプリは販売機能を持つスマホアプリ!メリットやデメリットを解説

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ECアプリとは、ECサイトと同様の販売機能を持ち、スマホやタブレット端末で利用できるアプリケーションのことです。顧客接点の増加を目的に、多くの企業やブランドが導入し始めています。

そこで本記事では、ECアプリのニーズが高まっている理由や導入のメリット、デメリット、作り方などを紹介します。

ECアプリとは?

ECアプリとは「販売機能」を持つスマホアプリのことです。ECとは「electronic commerce」の略語で、日本語では「電子商取引」と訳されます。つまり、インターネット上におけるモノやサービスの売買全般のことです。

すでに多くの企業やブランドでは、インターネット上の売買を目的とするECサイトを立ち上げています。しかし、さらに販売機会を増やすために、ECサイトの「アプリ化」が進められているのです。

スマホ独自の機能である「プッシュ機能」「位置情報機能」「カメラ機能」といったサービスの活用によって、ユーザーの利便性をさらに高められます。スマホの普及率も高まっている現代において、ECアプリの活用は多くの企業やブランドにとって欠かせないものとなっています。

ECアプリのニーズが高まっている3つの理由

ECサイトでは実現できない機能を備えたECアプリは、各社から次々と登場しています。では、なぜ企業やブランドはECサイトのアプリ化を進めているのでしょうか。ECアプリのニーズが高まる背景には、次の3つの理由が関係しています。

  • ユーザーの行動変容
  • モールから自前サイトへの移行
  • 広告コストの上昇

ECアプリの導入を検討する際は、まず自社がこれらの背景に影響を受けるかを確認してみてください。

1.ユーザーの行動変容

総務省が発表する「令和3年版 情報通信白書」によると、2020年における携帯電話やスマホなどのモバイル端末の世帯保有状況は9割を超え、その中でもスマホは、8割以上の世帯で保有されていることが明らかになっています。

その結果、ECサイトにアクセスするユーザーの多くは、パソコンではなくスマホから訪れるようになりました。もちろん、スマホからでもECサイトの閲覧は可能です。

しかし、パソコンからのアクセスに比べ、スマホからのアクセスは「サイトの滞在時間」や「購入金額」などを下げる可能性があり、これらに対応すべく各社はECアプリに注力しています。

参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|情報通信機器の保有状況

2.モールから自前サイトへの移行

大手ECモールから自前サイトに移行するために、ECアプリを構築する企業やブランドも増えています。移行する主な理由は「出店や販売にかかる手数料の削減」や「販売ポリシーの不一致」などがあるようです。

ただし、集客において絶対的な強みを持つ大手ECモールから外れるということは、すなわち自分たちで直販できる仕組みと集客力が必要になることを意味します。そこで、着目されているのがECアプリです。

ECサイトとECアプリを組み合わせた新たな集客効果に期待し、導入する企業が増えています。

3.広告コストの上昇

競争が激化しているEC市場の広告にかかるコスト上昇も、ECアプリの普及に影響しています。ECサイトでの「新規顧客の獲得」が年々難しくなっており、売り上げを伸ばすには、既存顧客の「購入頻度のアップ」が急務となっているのです。

そこで、注目されるのがECアプリです。アプリは顧客が一度ダウンロードしてくれれば、アイコンの表示などによって商品やブランドの想起につながります。また、プッシュ通知などによって適切なタイミングでの訴求も可能です。

これらの内容はいずれも購入頻度のアップにつながるものであり、多くの企業やブランドがECアプリを必要とする理由となっています。

企業がECアプリを導入する4つのメリット

ECアプリの導入は企業やブランドに多くのメリットをもたらします。主なメリットは次の4つです。

  • プッシュ通知による効果的な販促が可能になる
  • エンゲージメント向上によってファン化できる
  • 顧客情報の一元管理が容易になる
  • 離脱率の低下と滞在時間や滞在率の向上を目指せる

ECアプリによって活路を見出していくためにも、ここではメリットごとの内容を詳しく解説します。

1.プッシュ通知による効果的な販促が可能になる

ECアプリ独自の機能ともいえる「プッシュ通知」を活用すれば、ユーザーごとにあわせた効果的な販促が可能です。プッシュ通知とは、スマホなどの端末にメッセージを直接送れる機能を意味します。

一般的な開封率が約10~20%とされるメルマガなどに対し、プッシュ通知の開封率は約25%以上にものぼります。また、場合によっては80%の開封率となるケースもあるほどです。

高い開封率を特徴とするプッシュ通知を利用することで、新商品リリースやセール告知、クーポン配信など、ユーザーにとって有益な情報をタイムリーに届けられます。

さらに、会員情報や購買情報、位置情報といった顧客データとの連携も図れ、より効果的な販促の実現が可能です。

2.エンゲージメント向上によってファン化できる

ECアプリは、ユーザーのエンゲージメント向上に効果を発揮します。エンゲージメントとは、企業やサービス、ブランド力で顧客を引き付ける力のことです。エンゲージメントが高いほど、集客数や売上を向上させやすくなります。

例えば、ブラウザ上からサイトに訪問する必要のあるECサイトに比べ、ホーム画面をタップするだけでサイトに訪問できるECアプリの方が、ユーザーの利便性を高めることが可能です。

このように、ユーザーの利便性を高めることはエンゲージメントの向上につながり、コアなファン獲得にも効果を発揮します。

3.顧客情報の一元管理が容易になる

ECアプリは、氏名や住所はもちろんのこと、訪問履歴や購買履歴、問い合わせデータといった顧客情報の管理を一元化できます。

ECサイトでも、顧客情報の管理自体は可能です。しかし、近年cookieの規制などの影響を受けユーザーの行動データ取得のハードルがあがっており、Webサイト上ではなくアプリ内で行動してもらうほうが、より詳細なデータを収集できます。

また、これらの顧客情報を基にしたコンテンツ作成やプッシュ通知などをマーケティングに活かすことで、より売上や利益に直結する施策を打ち出しやすくなります。

4.離脱率の低下と滞在時間や滞在率の向上を目指せる

ECアプリの導入は、離脱率の低下や滞在時間・滞在率の向上を目指せます。離脱率とは、サイトを訪れたユーザーがどこのページで離脱したのかを示す割合です。

スマホのホーム画面からワンタップでアクセスできるECアプリは、ユーザーがサイト訪問する際のストレスを減らし、離脱率を下げられます。また、アプリの動作を軽快にしたり、オフライン環境でも利用できるようにしたりといった工夫で、滞在時間や滞在率の向上も期待できるのです。

離脱率の低下や滞在時間・滞在率の向上は、結果としてアクセス回数の増加につながり、売上や利益のアップを見込めます。

企業がECアプリを導入する4つのデメリット

販促効果やエンゲージメントの向上など、さまざまなメリットがあるECアプリですが、いくつかのデメリットがあるのも事実です。企業がECアプリを導入する主なデメリットには、次の3つが挙げられます。

  • 開発や保守に大きな費用がかかる
  • アプリをダウンロードしてもらうまでが難しい
  • 定期的な機能改修が必要になる

導入後に後悔することがないよう、各デメリットの内容は正しく理解しておきましょう。

1.開発や保守に大きな費用がかかる

ECアプリの導入には開発費用はもちろんのこと、ランニングコストの負担も発生します。一から独自のアプリを作るとなると、数百万円規模の開発費用を要するケースも少なくありません。

さらに、各OSに合わせた最適化やリリース後の更新作業、アップデート作業なども必要となり、その度に費用が生じます。ただし、ある程度パッケージ化されたシステムを利用すれば、開発費用とランニングコストのいずれも負担を抑えることが可能です。

2.アプリをダウンロードしてもらうまでが難しい

ECアプリはユーザーがダウンロードし、利用してもらうことで初めてその効果を発揮します。しかし、アプリをインストールしてもらうには、前提として企業やブランドの認知が必要です。

また、すでに認知されている企業やブランドでも、アプリをダウンロードしてもらうための導線を設けたり、プロモーションを実施したりする必要があります。ECアプリはダウンロードしてもらうまでが最も難しい点を踏まえたうえで、導入を検討してみてください。

3.定期的な機能改修が必要になる

ECアプリの導入後は、ユーザーの利便性を向上したり、OSアップデートに対応したりするための定期的な改修が半永久的に必要です。さらに、アプリに不具合などが生じれば、迅速な修正も求められます。

これらの作業を疎かにすると、これまでに獲得した顧客の離脱につながりかねません。さらに、アプリを活用したキャンペーン実施やクーポン配布といったマーケティング施策も考える必要があります。

ECアプリの導入前には、改修や施策の実施に対応できるだけのリソースが社内にあるかも確認しておきましょう。

ECアプリの作り方は3種類

ECアプリの作り方は大きく次の3種類に分かれます。

  • ネイティブアプリ
  • Webアプリ
  • ハイブリッドアプリ

いずれも特徴やメリット、デメリットが異なります。よって、自社がECアプリを導入する目的や予算、人員などを考慮したうえで、自社にふさわしい方法を採用しなければなりません。ここでは、種類ごとの内容について詳しく解説します。

1.アプリストアからインストールする「ネイティブアプリ」

ネイティブアプリとは、各アプリストアからスマホやタブレットなどの端末にインストールして利用するアプリのことです。OSごとの専用アプリとして設計するため、作成方法には一貫性があり、カメラや位置情報、プッシュ通知といった機能も最大限に活用できます。

一度インストールしてしまえば、インターネットに接続していない環境でも利用可能です。 さらに、アプリの動作や起動が速いこともネイティブアプリの特徴といえます。

ただし、各アプリストアの審査基準を満たさないと利用できない点や課金アプリの場合は手数料が生じる点はデメリットといえるでしょう。

2.ダウンロードが不要「Webアプリ」

Webアプリとは「Google Chrome」や「Safari」といった、ブラウザ上で動作するアプリを意味します。例えば、Googleが提供する「Gmail」や「YouTube」などは、Webアプリの一部です。

ネイティブアプリとは異なりダウンロードが不要で、Webサイトと同じように扱えます。もちろん、ダウンロードの課金手数料やリリース時の審査も必要としません。また、OSに縛りがなく開発や保守にかかるコストを抑えることが可能です。

ただし、実行できる動作の範囲はブラウザによって制限されます。よって、スマホのカメラや位置情報、プッシュ通知といった機能は使えない点には注意が必要です。

3.端末に依存せず低コストで制作可能「ハイブリッドアプリ」

ハイブリッドアプリとは、ネイティブアプリとWebアプリの特性を合体させたアプリです。開発はWebアプリと同じくウェブページ上で作成するものの、ネイティブアプリと同じくカメラや位置情報、プッシュ通知といったスマホの機能を利用できます。

つまり、見た目はネイティブアプリ、中身はWebアプリとして理解するとわかりやすいでしょう。また、ハイブリッドアプリは異なるプラットフォーム上で同じ仕様のものを動かせるマルチプラットフォームに対応しており、端末やOSに依存しないため、低コストでの制作が可能です。

ただし、ネイティブアプリとWebアプリにおけるデメリットも引き継ぎます。課金手数料の負担や審査の通過、動作速度や操作性などは開発目的によって大きな課題となる可能性もあるため注意しましょう。

ECアプリの導入効果を高める3つの方法

新たな購買体験の提供によって売上アップを目指すECアプリの導入効果を高めるには、次の3つの方法を押さえる必要があります。

  • ユーザーがダウンロードしたくなる施策を実施する
  • アプリの利用に意味づけをする
  • プッシュ通知に注力する

いずれもECアプリの特徴を最大限発揮するために欠かせない方法ばかりです。ここでは、方法ごとの内容を詳しく解説します。

1.ユーザーがダウンロードしたくなる施策を実施する

安定したアプリ運用に欠かせない「ダウンロード数」を伸ばすには、ユーザーが思わずダウンロードしたくなるような施策を実施する必要があります。

例えば、アプリをダウンロードしたユーザーに特典を設けたり、限定クーポンを発行したりなど、何らかの報酬を用意すると効果的です。さらに、これらの施策をSNSや自社サイトで訴求すれば、広告コストを掛けずともユーザーに情報を届けられます。

特に、ECアプリのリリース直後はこのダウンロード数に注目して、効果を検証するようにしましょう。

2.アプリの利用に意味づけをする

ユーザーが思わずダウンロードしたくなる施策を実施した後は「なぜアプリを利用するべきか」といった意味づけが必要です。正しい意味づけが、継続的なアプリ利用につながります。

例えば、商品やサービスの魅力を伝えるためにアプリ内でコラムを配信したり、定期的にアプリ限定のクーポンを配信したりなど、アプリを利用しなければ得られない情報や特典を用意してみてください。

さらに、アプリの操作性を高めて顧客体験の満足度を向上させることも利用率の向上に大きく影響します。

3.プッシュ通知に注力する

ECアプリの最大の特徴ともいえる「プッシュ通知」に注力することも集客に大きな効果をもたらします。高い開封率や即効性を期待できるプッシュ通知を使わない手はありません。

例えば、情報の鮮度が肝となる「タイムセールの案内」や「先着順の特典」などはプッシュ通知との相性が良く、成果にもつながりやすいでしょう。各ユーザーにあわせてカスタマイズした内容を通知すれば価値ある情報と認識され、ユーザーの注目度を高めることも可能です。

アプリ導入の目的を明確にして効果的に展開しよう

ECアプリは「ユーザーの行動変容」や「広告コストの上昇」といった内容を背景に、多くの企業やブランドで導入され始めています。企業によるECアプリの導入は販促効果のアップはもちろんのこと、エンゲージメントや滞在時間の向上や離脱率の低下など、さまざまなメリットをもたらします。

一方、開発や維持にかかるコスト、インストールに要する課題など、いくつかのデメリットがあるのも事実です。さらに、アプリの作り方によっては、特徴も異なります。

そこで重要なのが「アプリ導入の目的」です。自社やユーザーにどのような効果をもたらしたいのかを明確にすることが、アプリ導入後の効果を左右します。今回紹介した内容を参考にして提供したいサービスの内容と照らし合わせ、導入の是非を検討してみてください。

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