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アプリの運用と保守の違いとは?運用保守コストの種類や相場も解説

アプリの運用と保守の違いとは?運用保守コストの種類や相場も解説

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アプリをリリースしてからも、運用・保守はかかせません。今回は、アプリの運用と保守との違いやそれぞれの仕事内容、運用保守に必要となるコストの種類などをご紹介します。アプリ運用を検討している方は、費用の相場まで確認して仕事に活用しましょう。

アプリの運用と保守との違い

アプリは開発して終わりではなく、そのあとのサポートも重要です。アプリ運用とアプリ保守はそれぞれアプリをリリースしたあとにおこないます。そのため、運用保守というようにまとめて表現することが多くて混同されやすいものですが、実行する役割は異なります。

アプリの運用とは、システムがいつも安定稼働している状態にするためのサポートをおこなうことです。他方で、アプリ保守とはリリース後に発見された不具合を直すなど、システムを改善したり変更したりすることを指します。

なお、運用保守の目的は適切なサービスを提供し続け、ユーザーの期待を裏切らないようにすることです。

スマホアプリはリリース後も勝負

アプリのユーザー数や満足度は、アプリを開発してリリースしてからの運用次第です。リリース後のアプリ運用やユーザーへのサポートによって、提供したアプリが成功するかどうかが変化します。

アプリを作っただけ、一回機能を改善しただけでは、ユーザーがアプリに求めていることを反映しきれないでしょう。また、バグやトラブルが起こった際に素早く対応できなければ、アプリ自体に対する信頼性が損なわれてしまいます。

つまり、スマホアプリとはリリースしてユーザーからどのような反応がくるのか待つだけの博打ではなく、リリース後の対応も勝負の行方を左右するのです。

また、ユーザーから指摘を受けたことに対するサポートが充分にできず、意見を放置したままになってしまうよりも、サポート体制が手厚いアプリのほうがユーザーに満足してもらいやすくなります。

運用保守をはじめ、ユーザーの意見などを元に機能を追加・改善するアップデートを重ねて、ユーザー最適化を進めていくようにしましょう。

ただし、対応できるプログラマーやエンジニアなどの手が空いていなかったり、運用後のコストを計算していなかったりした場合には、改良を加えたくてもできない場合もあるでしょう。リリース後の運用に関しても事前に検討しておくことが重要です。

アプリ運用の役割と仕事内容

アプリ運用の役割とは、常に管理してシステムを動かし続けることです。アプリの運用でおこなう仕事内容は、以下のとおりです。

  • データのバックアップ
  • アプリの起動・停止
  • システムの状態を監視
  • その他、入力や出力作業など

なお、アプリ保守の役割と仕事内容についても後述します。まずはアプリ運用の役割と仕事内容をチェックし、運用に関する理解を深めていきましょう。

アプリ運用とは管理して動かし続けること

アプリ運用とは、システムを管理して動かし続けることを指します。いつでもシステムを正常に稼働させられるようにして、アプリを快適に使える状態を維持し、ユーザーがやりたいことをやりたいときに利用できるようにすることが、アプリ運用の役割です。

また、アプリ運用は基本的に日々対応していくものであるという特徴があります。

アプリ運用の仕事内容

アプリ運用の仕事内容を大きく分けると、オペレーションと監視の2種類です。オペレーションはアプリの起動や停止をしたり、入力や出力に関する作業をしたり、データのバックアップをとったりします。

監視の仕事内容は、システム稼働状況の確認、メモリやCPUなどシステムリソースの状態管理、バッチジョブの状態管理、ウイルス感染や不正アクセスがなかったかのチェック、障害の原因箇所の特定などです。監視している際にもしも異常を見つけたときは、関係部署に連絡します。

場合によっては、悪意を持ったユーザーからシステムが攻撃されてしまうケースも考えられるでしょう。アプリの運用をしっかりとしていないとシステム自体が破壊される可能性があるため、異常の有無の確認や、障害が発生したときの原因箇所の特定など、アプリ運用でおこなう仕事は重要です。

障害の原因がインフラ側にあった場合には、復旧作業もアプリ運用の仕事に含まれます。ただし、システム障害が発生したときの原因究明や改修作業などの仕事は、保守担当者も参加することが多いです。

運用の定義はその現場によって異なることもあり、定義しにくいものの、アプリを安定して稼働させるための仕事だといえます。

なお、アプリの運用ではシステムの変更はしません。システム面ではなく、ネットワークやハードウェアの状態を守るのが特徴です。

アプリ保守の役割と仕事内容

続いて、アプリ保守に関しても役割と仕事内容をチェックしていきましょう。アプリ保守の役割とは、不具合などを改善すること、アプリをよりよい状態に維持することです。アプリ保守の仕事内容は、以下のとおりです。

  • システム障害の際の原因究明や改修作業
  • アプリの仕様変更

これらの内容に関して、詳しくチェックしていきましょう。

アプリ保守とは不具合などを改善すること

アプリ保守の持つ役割とは、不具合などを改善することです。アプリ保守ではトラブル時の突発的な対応が求められます。

もしもプログラムやシステムに関する障害が起こったときは、原因を探し出し、改修をおこなうことがアプリ保守の役割です。また、アプリの機能などを変更したいときに対応することもアプリ保守にあてはまり、より良いシステムへと改善を加えて、ユーザーに対するサービスを改良するという役割があります。

なお、アプリ保守でもシステム保守でも、どちらも基本的な仕事内容は変わりません。

アプリ保守の仕事内容

アプリ保守の仕事内容には、障害が起こった際の原因究明や改修作業などの緊急時の対応があります。そのほかに、アプリのリリース後に仕様を変更し、改善し続けていく仕事もアプリ保守がおこなうものです。

アプリの仕様は大規模に変更する場合があります。作業する量は変更の規模によるものの、大規模な変更点があるとアプリの開発時と同等の作業量がいる場合もあるでしょう。

アプリの運用保守にかかるコストの6つの種類

ここからは、リリース後にかかるランニングコストの種類を紹介します。アプリの運用保守にかかるコストの6つの種類は、以下のとおりです。

  • サーバーにかかる費用
  • ドメインにかかる費用
  • OSアップデートに対応する費用
  • 保守対応にかかる費用
  • 機能の追加や改善をおこなう費用
  • アプリのコンテンツを更新する費用

それぞれを詳しくチェックしていきましょう。

1.サーバーにかかる費用

運用保守費の1つ目の種類は、サーバーにかかる費用です。これはすべてのアプリにかかるわけではなく、スマホアプリなどには必要ありません。しかし、WEBアプリであればサーバー代が必要です。

サーバーをレンタルする費用は通信データ量やユーザー数などで違いがあり、無料のものから月額で数十万円するものがあります。アプリを開発してからすぐに費用が必要となるため、どれくらいの規模のアプリにするのかなどをしっかりと計算しておきましょう。

2.ドメインにかかる費用

アプリの運用保守で必要な2つ目の費用はドメイン代です。ドメインとは、インターネット上のどこを開くのかがわかるもので、そのアプリだけが使える住所のように使います。

サーバーを使用するWEBサイトには、ドメインの費用も必要です。費用はドメインを取得したときと更新時に発生し、年間で500円~5万円ほどかかるといわれます。

3.OSアップデートに対応する費用

3つ目は、OSアップデートに対応する費用です。iOSやAndroidでは年に1度ほど定期的にOSアップデートをおこない、新機能を使えるようにするなどしてユーザーの利便性を高めています。そのOSアップデートの影響によってアプリに不具合が発生するケースがあるため、不具合が起きないように対応するための費用が必要です。

4.保守対応にかかる費用

4つ目は、保守対応にかかる費用です。保守対応とは、アプリにトラブルやバグがあったときの対応を指します。トラブルもバグも、迅速な対応をしないとユーザーに不信感を持たせてしまいます。

これらを上手に解決できないとユーザーが離れてしまい、売り上げが下がってしまうかもしれません。そのため、トラブル対応をしっかりとおこなえる人数を集めるなど、人件費などのコストは重要です。

5.機能の追加や改善をおこなう費用

5つ目は、リリース後に機能変更をおこなうための費用です。需要がある機能を追加したり改善したりすると、ユーザーの数や満足度をアップさせられます。

機能追加や改善対応のための費用は、追加したり改善したりする機能によって異なります。ユーザーのニーズをつかむためにも継続的な対策が必要であり、費用は1機能ごとに数万円からが目安です。

6.アプリのコンテンツを更新する費用

6つ目は、アプリのコンテンツを更新する費用です。アプリコンテンツの更新は、開発会社などに頼まずに社内でおこなうことも選べます。しかし、その場合であっても社内スタッフの人件費は必要になるため、外注の値段と比べる際は注意しましょう。

社内でコンテンツの更新をする場合、管理画面の使いやすさによって所要時間が変わります。使いやすいもののほうがコンテンツを更新する人件費を減らせるものの、その分開発費用がかかることもあるためバランスを見ましょう。

アプリの運用保守コストの目安・相場

アプリの運用保守に必要なコストの目安や相場金額を見ていきましょう。自社アプリの制作をするか考えるときに、開発コストだけではなくリリース後のランニングコストとなる運用保守のコストも忘れないようにしてください。

アプリの運用保守の相場は、アプリの規模や機能によって異なります。自社アプリの提供を検討している方は、事前に目安を確認し、予算がわかるようにしておきましょう。

相場はアプリの規模や機能によって異なる

リリース後の運用保守に必要なコストの相場は、アプリ自体の規模や追加する機能などで変わります。また、どの程度の運用をするかというクライアントのニーズによっても、運用保守に必要なコストは異なるものです。そのため、運用保守コストを見せていないアプリ開発会社が多く、相場金額はあまりはっきりとわからなくなっています。

運用保守にかかるコストの目安

先述のとおり、アプリの規模や追加機能などで相場が変わるため、運用保守コストのはっきりとした金額はわからないものです。しかし、最低限のコストでも毎月の保守に対応する費用は10万円以上だといわれています。一般的に開発費用の15%ほどが保守対応の費用として必要だとされているため、予算計画を立てる際には参考にしましょう。

アプリの機能追加にかかる費用の相場

機能を追加するために必要な費用は、追加する機能ごとに相場が異なります。たとえば、アプリで対応する言語を増やして多言語化したケースでは、1言語につき10~15万円ほどが相場です。もちろん、対応させる言語によっても相場が異なります。

決済システムを追加する場合は、20~50万円ほどが相場です。課金システムの設置は10~20万円ほど、Googleマップの搭載で10~20万円ほどかかります。

運用保守を理解して自社アプリに役立てよう

アプリを開発したあとにも、アプリ運用とアプリ保守が必要です。アプリ運用は日々の管理でハードウェアやネットワーク関連の状態を守ります。一方のアプリ保守は、バグがあったときに改善をおこなったり機能を追加したりと、システム関連の仕事をしているのが特徴です。

アプリの運用保守にかかるコストには、サーバーにかかる費用やOSアップデートに対応する費用など6つの種類があります。また、運用保守コストの相場はアプリの規模や機能によって違うものの、一般的に開発費用の15%ほどが目安だといわれています。

開発するアプリの費用から目安となる金額を算出して、自社アプリ制作の予算計画を立てる際に参考にしましょう。

アプリ運用におけるポイント

適切にアプリ運用をおこなうことで、ユーザー満足度や売り上げの上昇が期待できます。アプリの運用でつまずかず、適切におこなうためのポイントは以下のとおりです。

  • パッケージサービスを利用すること
  • 運用保守費用を計算に入れてアプリ開発すること
  • 開発時にアップデートを見込んで設計すること
  • 発注者と開発会社でしっかりと話し合うこと
  • 複数の会社で見積もりをとること

それぞれのポイントについて、詳しくチェックしていきましょう。

パッケージサービスを利用する

先述のとおり、アプリは開発してリリースしてからも運用保守の費用がかかり、やらなければならないことも多くあります。アプリ運用を怠って対応しないでいると、システムが停止したり正常に動作しないままになってしまったりして、ユーザーが離れる原因になってしまうため適切な対応が必要です。

しかし、さまざまな種類の費用がかかるため、アプリの運用保守で実際に必要となる費用はいくらなのかわかりづらいかもしれません。アプリのリリース後にむけて用意しておくべき予算の金額がどれほどなのかはっきりさせたいというニーズがある方には、パッケージサービスを利用すると良いでしょう。

自社でアプリ運用のためのスタッフが十分にいない場合には、システム障害が起こっていてもなかなか気づかずに対応が遅れてしまう可能性があります。また、夜間の運用体制を整備できなかったり、忙しくて業務ができないままになってしまったり、何が原因でエラーになっているのかの見極めができなかったりと、適切な対応が難しいかもしれません。

アプリ運用に慣れていない企業は、運用管理のパッケージサービスを利用して、適切な対応がし続けられる状態にすることがおすすめです。

運用保守費用を計算に入れてアプリ開発する

アプリの開発をおこなう場合には、開発のために必要な費用がいくらかかるのかに目がいきがちになります。しかし、開発にかかる費用だけではなくて、運用保守をおこなうための費用に関しても事前に確認しておくことが重要です。

アプリ開発を外注する会社を選ぶ際には、その後のコストに関してもチェックが必要です。リリースしてからどのような保守体制で対応してもらえるのか、運用保守のためにはどれほどの費用がかかるのかという視点を持ち、ユーザーが満足して使い続けてもらえるようなアプリにしましょう。

先述のとおり、アプリのリリース後にかかるランニングコストの種類には、サーバーの費用やドメインの費用、OSアップデートに対応する費用、保守対応にかかる費用などがあります。

アプリの規模や追加する機能などで運用保守費用の相場が変わり、はっきりとした金額はわかりにくいようです。保守対応の費用は開発費用の15%ほどともいわれているため、目安にすると良いでしょう。

また、外注する会社にアプリ開発依頼をおこなう際には、これらのことを考慮に入れて作成した予算案を提出することが大切です。どのようなイメージを持っているのか相手に伝わりやすく、話を詰めていけるでしょう。

開発時にアップデートを見込んで設計する

アプリを開発する際に、その後アップデートをおこなうと見込んだ設計にすることもできます。どのような開発の方法を選択するかなどにより、アップデートしやすい状態でのアプリ開発が可能なのです。

なお、アプリの更新をおこなう際には、マイナーバージョンアップとメジャーバージョンアップがあります。

マイナーバージョンアップとは細かな仕様の変更や少しの機能追加、不具合の修正などです。メジャーバージョンアップは、新機能の追加やUIの変更など大幅な変更があるアップデートを指します。

人気のあるどのようなアプリでも、バージョンアップを繰り返しながら最適化してきました。

発注者と開発会社でしっかりと話し合う

アプリ開発を外注する会社を選ぶ際や、運用保守に必要な費用の見積もりを依頼する際などには、発注者と開発会社でしっかりとコミュニケーションをとることが重要です。

アプリ開発や機能の追加をおこなうプロジェクトの概要や、どのような機能の搭載をするのか、どのように運用していくのかなどを詳しく話し合い、イメージを共有するようにしましょう。プロジェクトや予算などに関する発注者と開発会社の間の認識を合わせられ、見積もりの精度を高められます。

発注者と開発会社が実際にアプリ開発をおこなう前にしっかりとコミュニケーションをとっておくことで、無駄を省いてコスト削減に繋げることも可能です。

また、どのような画面にしたくてどのような機能が欲しいのか、アプリ開発や機能の追加などに関する詳しいイメージがあれば、簡単なものでも図や絵を用意して目に見える形で伝えると良いでしょう。具体的なイメージまですり合わせることができ、よりニーズに合うアプリにできます。

なお、アプリ開発から依頼した場合には、納期が数カ月~1年後などになって、すぐには納品されないケースがあります。

長い期間がかかると開発途中で連絡が途絶えがちになってしまいますが、進捗状況を確認するためにもコミュニケーションをおこなうと良いでしょう。

複数の会社で見積もりをとる

アプリの開発や運用保守を依頼する会社を選ぶ場合には、複数の会社で見積もりをとるのがおすすめです。同じアプリを開発・運用保守をする場合でも、開発会社の事業規模などによってアプリの開発費や運用保守に必要な費用が変わってきます。

コストパフォーマンスが高く、自社にとってぴったりだと思えるところに依頼するためにも、アプリの開発や運用保守を外注する際は複数の会社で見積もりをとるようにしましょう。

複数の会社で見積もりをとっていると、それぞれの会社の対応の違いに関しても判断できるからです。たとえば、アプリの開発や運用保守の費用を抑えられるかどうかだけでなく、開発後に実施するサービス内容の違いを確認できます。

また、アプリの開発や運用保守を依頼する場合には、先述のとおり発注者と開発会社の間で認識のずれの回避のためにしっかりとコミュニケーションをとることが重要です。複数の会社で見積もりをとった際は、それぞれの会社の担当者とコミュニケーションをとりやすかったか、信頼できると感じられたかも、判断基準のひとつにすると良いでしょう。

コミュニケーションがしっかりととれない開発会社を選んでしまった場合、開発するアプリのイメージがうまく共有できない可能性が高くなってしまいます。製作するアプリがもともと想定していたものと異なる仕様になる恐れがあるため、コミュニケーションをとりやすい企業を選んだうえで、事前の確認を徹底しておこなうようにしましょう。

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